政府が新資本主義実行計画の改定案発表、中小賃上げ定着 価格転嫁徹底、下請法改正も検討

AI要約

政府は7日、経済の好循環を目指す岸田文雄政権の成長戦略「新しい資本主義」実行計画の改定案を発表した。賃上げを中小企業まで定着させるほか労働市場改革を加速し、デフレからの完全脱却を実現させる。6月下旬の閣議決定を目指す。

岸田首相は、物価高を乗り越えるために、今年、物価上昇を上回る所得を実現し、来年以降に物価上昇を上回る賃上げを定着させることを強調した。

改定案の柱は、中小企業の賃上げの定着や労働市場改革の前進、スタートアップの育成、事業承継の支援など多岐にわたる。

政府が新資本主義実行計画の改定案発表、中小賃上げ定着 価格転嫁徹底、下請法改正も検討

政府は7日、経済の好循環を目指す岸田文雄政権の成長戦略「新しい資本主義」実行計画の改定案を発表した。賃上げを中小企業まで定着させるほか労働市場改革を加速し、デフレからの完全脱却を実現させる。6月下旬の閣議決定を目指す。

「社会的課題解決と経済成長の二兎の実現を引き続き掲げ、物価高を乗り越えるために、今年、物価上昇を上回る所得を実現し、来年以降に物価上昇を上回る賃上げを定着させる」。岸田首相はこの日、首相官邸で開いた新しい資本主義実現会議でこう強調した。

改定案の柱の一つは、中小企業の賃上げの定着だ。大企業との価格交渉で労務費などの転嫁を徹底するほか、下請法について改正も視野に厳正に対処する。深刻な人手不足を背景に、省力化投資を進めて企業の収益力を高める方針も明記した。

運輸や宿泊、飲食など特に人手不足が深刻な業界を中心に、現場で働く人が自動化技術を使いこなすための支援も行う。

労働市場改革も前進させる。企業内で職務を明確にして成果重視で処遇する「ジョブ型人事」の導入拡大に向け、20社の先行事例集をまとめる。リスキリング(学び直し)の取り組みも広げ、労働者の兼業や転職を促し、生産性向上や所得の増加につなげたい考え。

スタートアップ(新興企業)の育成や事業承継の支援も強化し、企業が参入や退出をしやすくする環境も整える。コンテンツ産業の活性化に向けた戦略も盛り込まれた。

実現会議では、賃金と物価がそろって上昇する経済の好循環の実現が近づき、デフレから抜け出す好機が訪れているものの、円安が今後の物価に与える影響を注視する必要性も確認した。