「生活のため、山に…」 クマに襲われ男性死亡 妻が伝えたいこと

AI要約

青森県三戸町のSさんがクマに襲われ亡くなった事故について、妻の悲しみやSさんの山菜採りの習慣が描かれている。

Sさんは30年来、毎年十和田大湯でタケノコ採りを行っており、事故が起きた日もその日の予定をこなすため山に入っていた。

Sさんが異変を感じさせるほど戻ってこなかったことから、クマに襲われた可能性が高く、妻は山への単独行動を控えるように呼びかけている。

「生活のため、山に…」 クマに襲われ男性死亡 妻が伝えたいこと

 秋田県鹿角市十和田大湯で5月に起きたクマによる3人の死傷事故。現場はタケノコ採りに山に入り死亡した青森県三戸町のSさん(仮名)が毎年通っていた場所だった。

 「まだ亡くなったという実感がわかない。まさかクマに襲われるなんて。悔しい」。青森県内で取材に応じたSさんの妻は、こう語った。

 Sさんは、生活のため山菜やキノコを採りに山に入っていた。各地の現場に向かうたびに、妻も車で一緒に行き、作業が終わるまで待っていたという。Sさんは今回の現場には30年来、毎年のようにタケノコ採りに行っていた。

 5月15日も、妻は親戚の女性と2人で車の中で待っていた。Sさんは朝8時半ごろから山に入り、お昼に一度車に戻ってまた午後にタケノコ採りをする予定だった。だが、昼になっても戻って来ず、異変を感じて第一通報者の男性に相談した。

 「本人はこのあたりはよく知っていたし、山で迷う人ではない。あの日は『たくさん採ろう』と頑張ったのかもしれない」と振り返り「まだあのクマはいる。やっぱり一人では山には入らない方がいい」と話した。【工藤哲】