〔東京外為〕ドル、147円台半ば=弱い米PPI受け下落(14日午後5時)

AI要約

14日の東京外国為替市場では、米PPIの結果が弱い影響でドルは円に対して下落し、様々な要因で揺れ動いた。しかし、総じてレンジ内の動きにとどまった。

岸田首相の不出馬表明や米CPIの発表を控えて市場は不安定な中、ドル円は上下に振れつつも最終的には相場は持ち直した。為替への影響は限定的との見方が多い。

ユーロは終盤に対円、対ドルで上昇。為替市場は引き続き様々な要因に左右されそうである。

 14日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、弱い米PPIの結果を受けて、1ドル=147円台半ばに下落した。午後5時現在は、147円40~41銭と前日(午後5時、147円83~85銭)比43銭のドル安・円高。

 前日の海外市場では、欧州時間に147円台半ばから後半のレンジで推移した後、米国時間に入って146円80銭台に下落。7月の米PPIが前月比0.1%上昇と市場予測(0.2%上昇=ロイター通信)を下回り、米長期金利が低下したことが響いた。米国時間終盤には、146円50銭台まで水準を切り下げる場面もあった。

 その後は買い戻しが入り、東京時間は147円10銭前後で始まったが、午前10時半ごろ、岸田文雄首相が自民党総裁選に不出馬の意向を示したと報じられるとドル売りが強まり、146円05銭前後まで下落。「次期総裁候補とされる河野太郎氏や茂木敏充氏が円安修正派と見られていることが影響した」(資産運用会社)という。その後は、日経平均株価の切り返しを受けて買い直され、終盤は147円50銭近辺に持ち直した。

 ドル円は、岸田首相の不出馬表明で上下に振れたが、総じて見ればレンジ内の動きにとどまった。「誰が総裁になろうとも政策に大きな影響はない」(同)とみる向きが多く、影響は限られたようだ。

 日本時間今夜発表の米CPIについては、「低調な米PPIを踏まえるとCPIも予想を下回る可能性がある」(国内証券)と指摘される。もっとも、「予想から大きく離れた結果にならない限り、為替への影響は限定的」(大手邦銀)との見方が大勢。

 ユーロは終盤、対円、対ドルで上昇。午後5時現在、1ユーロ=162円21~22銭(前日午後5時、161円57~60銭)、対ドルでは1.1005~1005ドル(同1.0929~0930ドル)。