米インフレ、小幅な加速ではFRBの利下げ阻まず-14日CPI発表

AI要約

米国の7月のインフレ指標は小幅に加速したものの、来月の米利下げに大きな影響はない見込み。

消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)の予想結果や労働市場の動向が注目されている。

統計結果からはインフレが鈍化傾向にあり、政策当局者がいくつかの要因に注意を向けている。

米インフレ、小幅な加速ではFRBの利下げ阻まず-14日CPI発表

(ブルームバーグ): 米国の7月のインフレ指標は小幅に加速した公算が大きいが、広く予想されている来月の米利下げを妨げるほどではなさそうだ。

14日に発表される消費者物価指数(CPI)は、総合指数と、食品とエネルギーを除いたコア指数がともに前月比0.2%上昇と予想されている。いずれも6月に比べ伸びが加速したとみられるが、前年同月比では引き続き、2021年初頭以来最も鈍い上昇ペースとなる。

最近の物価上昇圧力の緩和で、米金融当局者は利下げ開始可能との自信を強める一方、減速の兆しが強まっている労働市場に再び関心を向けている。

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CPIが予想通りなら、インフレが依然として鈍化傾向にあることを示す。6月の統計が予想外に低い数値だっただけに、7月の若干の加速は当然とエコノミストらは考えており、政策当局者が注目するコアサービス(住宅を除く)価格の上昇に起因するところが大きいとみている。また、輸送コストの上昇から、商品価格の上昇リスクを指摘する向きもいる。だが、6月に始まった住居費の減速は続くだろう。

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CPIの前日に発表される米生産者物価指数(PPI)は、米金融当局が重視するインフレ指標である個人消費支出(PCE)価格指数の算出に使われるカテゴリーが注目されそうだ。

向こう1週間にはこのほか、7月の小売売上高や、インフレ期待、中小企業景況感、鉱工業生産、住宅着工件数の最新データの発表が予定されている。また、アトランタ連銀やセントルイス連銀、フィラデルフィア連銀、シカゴ連銀の各総裁が講演する。

原題:Small US Inflation Pickup Won’t Derail a Fed Rate Cut: Eco Week(抜粋)

--取材協力:Irina Anghel、Robert Jameson、Brian Fowler、Ott Ummelas、Laura Dhillon Kane、Monique Vanek、Paul Wallace、Niclas Rolander.

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