「ここまでひどいとは」田植え直後の稲を食い荒らす『ジャンボタニシ』食用に輸入され野生化 ピンクの卵見つけたら触らず水の中に落として

AI要約

堺市で稲を栽培中の田んぼで、ジャンボタニシの被害が拡大している。今年初めての被害だという農家の話や、かつては食用としても試食されたジャンボタニシの経緯が明らかになっている。

ジャンボタニシは台湾から輸入され、日本で養殖されていたが、衰退後に野生化。暖冬の影響で生き残る個体が増え、被害が拡大している。

関西を含む35府県で現在生息が確認されており、農家にとって大きな打撃となっている。専門家は今後の対策が求められている。

「ここまでひどいとは」田植え直後の稲を食い荒らす『ジャンボタニシ』食用に輸入され野生化 ピンクの卵見つけたら触らず水の中に落として

堺市で稲を栽培中の田んぼで、一角だけぽっかりと苗がなくなっている。 ある「侵略者」の仕業で、関西でその被害が広がっている。

農家 和田尚樹さん:被害が出ていたのが特にあの辺。何も生えてないの、分かりますかね。あとはあそこ。

堺市で農業を営む和田尚樹さん(38)。 10年ほど前から兼業で父と稲作をしているが、ここまでの被害は初めてだと言う。

農家 和田尚樹さん:田植えしてほっとして、僕も仕事が別にあるので、2週間後ぐらいに見たら『結構減ってるな』みたいな。ここまでひどくなると思ってなかったので、若干なめていたというか。

苦労して植えた苗を食い荒らした正体それは「スクミリンゴガイ」、通称『ジャンボタニシ』だ。

農家 和田尚樹さん:ここにいてますね。(苗に)ひっついて食べるので、この辺が一帯やられちゃった。

ジャンボタニシの大きさは5センチ~8センチほどで、南米原産の巻貝だが、なぜ日本で生息しているのだろうか。

実は1980年代にジャンボタニシは食用目的で台湾から輸入され、兵庫県日高町など全国500カ所で養殖されていた。 そしてジャンボタニシの試食会が開かれたこともある。

試食した人:びっくりしました。初めて食べたけどおいしいなって。(Q酒があったらもっとよかった)そうですよ。

試食した人:(Qアワビとサザエに似た味?)これのほうが口当たりが甘味あるようで、おいしいですわ。

しかし養殖業は衰退し、大量に捨てられたり、逃げ出したりして水田や水路で野生化。 今や「世界の侵略的外来種ワースト100」にも定められているジャンボタニシは、稲の苗を食い荒らし、農家に大きな打撃を与えている。 こうした被害は徐々に拡大。2022年時点で関西を含む35府県で生息が確認されている。

その理由について専門家は…

農研機構 植物防疫研究部門 松倉啓一郎研究員:冬の間にこの貝はほとんど死んでいたが、暖冬が続いて冬の間に生き残る貝が増えて被害が出てしまった。2018年以降から急激に西日本でも被害が出てきた。