「肉はささみしか食べない」と言う健康志向の夫。家計にはありがたいですが、栄養面での問題はないですか?

AI要約

鶏肉は日常の献立に欠かせない食材で、特にささみはヘルシーなイメージから人気がある。栄養価も豊富であり、柔らかい食感と幅広いアレンジが可能。

ささみは脂質が少なく、たんぱく質やビタミンB群、ミネラル類、ビタミンEが含まれている。ただし、ビタミンB12や鉄分の不足が課題となる。

栄養不足を防ぐために、ささみだけでなく牛肉や豚肉、レバーなどの肉類を摂取することが重要。さらに、様々な食材をバランスよく摂取することが推奨される。

「肉はささみしか食べない」と言う健康志向の夫。家計にはありがたいですが、栄養面での問題はないですか?

鶏肉は、牛肉や豚肉と並んでさまざまな料理に使われる食材です。また、価格が牛肉や豚肉よりも安いことが多く、日常の献立に欠かせない食材といえるでしょう。

なかでも「ささみ」は多くのスーパーで購入可能で、ヘルシーなイメージからダイエットや筋トレをする人にも人気となっています。

今回は、肉をささみに限定した場合の節約効果や、栄養面の課題について調べてみました。

鶏のささみは、むね肉(大胸筋)の近くに左右1本ずつある小胸筋のことです。形がささの葉に似ていることからささみの名前がつき、少々白っぽい色で、むね肉に比べると少量しか取れません。

文部科学省の「食品成分データベース」によれば、ささみの脂質は100グラムあたり1.1グラムで、牛肩肉(和牛、赤身肉)の12.2グラム、豚肩肉(赤身肉)の3.8グラムと比較して非常に少ない数字です。

その一方で、たんぱく質は100グラムあたり24.6グラム(牛肩肉は20.2グラム、豚肩肉は20.9グラム)と豊富で、ダイエットや筋トレをしている方向きの食品としても知られています。

ほかにも、ビタミンB群(ナイアシン、パントテン酸など)、カリウムやマグネシウムなどのミネラル類、ビタミンEが含まれています。

ささみは加熱しすぎるとむね肉同様、パサつくことがあります。一気に高い温度で加熱するのではなく、徐々に加熱していくと柔らかい食感をたもてるでしょう。脂質が少ないためくせが少なく、あっさりとしていることから、和食から洋食まで料理を選ばず幅広くアレンジ可能です。

ささみは、牛肉や豚肉などに比べて「ビタミンB12」や「鉄分」などの栄養素が不足しています。

ビタミンB12は、赤血球の生成や神経細胞の維持に必要不可欠であり、不足すると貧血や神経障害などの症状を引き起こす可能性がある栄養素です。鉄分は全身に酸素を運び、エネルギー代謝に重要な役割を果たしており、不足すると、貧血や倦怠(けんたい)感などの症状が現れやすくなります。

ビタミンB12や鉄分を補うために、できればささみだけではなく、牛肉や豚肉、レバーなどの肉類も摂取することをおすすめします。魚介類、卵、乳製品なども合わせて摂取するよう心がけ、栄養不足にならないようにしましょう。

また、脂質や食物繊維もささみに不足する栄養素です。脂質はカロリー面で敵視されがちな栄養素ですが、適度な脂質は体に必要です。良質な脂質のためには青魚やナッツ類など、食物繊維のためには野菜やきのこ類、海藻、果物などもバランスよく摂取しましょう。