「あめ色玉ねぎ」には栄養が残っていない…血液サラサラ成分を引き出す玉ねぎの正しい切り方

AI要約

玉ねぎの皮には栄養価が豊富で、ケルセチンやポリフェノールが多く含まれている。

玉ねぎの皮を捨てずに活用する方法として、皮パウダーや皮ご飯の作り方が紹介されている。

玉ねぎの皮には血液サラサラ効果や動脈硬化予防効果があるため、積極的に取り入れると良い。

健康な食生活を送るためには、野菜の食べ方にも注意する必要がある。東京慈恵会医科大学附属病院栄養部監修の書籍『完全版 その調理、9割の栄養捨ててます! 調理科学×栄養がとれる食べ方のコツ』(世界文化社)より、玉ねぎの栄養と調理法の解説をお届けする――。

■玉ねぎの皮は捨ててはいけない

 ビタミン類は少ないものの、生活習慣病予防や疲労回復、抗酸化などの成分満載の玉ねぎ。

 特に、近年注目されるポリフェノール・ケルセチンの含有量は野菜のなかでもダントツです。飲酒で細胞が傷つくのを保護する効果もあります。

 でもケルセチンをもっとも多く含むのは「皮」の部分で、上から3枚目までにほとんどの量が含まれています。

 つまり皮をむきすぎると、せっかくのポリフェノールがほぼ0に! 皮をむく時は、皮で出汁をとるなどで活用を。

■「玉ねぎの皮パウダー」にすれば食べられる

 玉ねぎの皮は球根よりも優れた抗酸化作用があります。

 ケルセチンは、そのほとんどが皮に含まれ、血管を強くしたり肥満予防も期待される見逃せない成分。

 ちなみに赤い玉ねぎは黄色い玉ねぎの5.4倍のケルセチンを含んでいます。

 栄養満点な玉ねぎの皮をそのまま食べるのは難しいですが、パウダーにすれば、内臓脂肪対策や肥満や網膜の損傷防止効果も期待できる食卓の強い味方に! スープや味噌汁に入れたり、ハンバーグなどのタネに加えても◎。

 よく洗って水気を切った玉ねぎの皮をフライパンでから炒りし、フードプロセッサーなどでパウダー状に。玉ねぎの風味と栄養たっぷりの調味料が完成です!

■「玉ねぎの皮ご飯」を炊く

 玉ねぎの皮を入れてご飯を炊けば、溶け出したケルセチンを吸い込んで、ほのかにピンクになった炊き込みご飯になります。

 ①米に普通に炊飯する場合と同量の水を入れ、よく洗った玉ねぎの皮を加える。

②炊き上がったら玉ねぎの皮を取り除く

③全体をよく混ぜる

④器に盛ったら完成!

■血液サラサラ効果や動脈硬化予防効果

 玉ねぎの香り成分アリシンは、糖質からエネルギーを作るビタミンB1の吸収率をぐんと高めるほか、血液サラサラ効果や動脈硬化を予防する効果を持っています。

 また皮に多く含まれるポリフェノール・ケルセチンには抗酸化作用、抗アレルギー作用、血圧上昇の抑制効果も。

 玉ねぎのケルセチンは、皮のほかに上部にも豊富です。つい切り落としがちな部位ですが、できるだけ切り過ぎないようにしましょう。

 上部が太かったり、触るとフカフカとしているものは傷みやすいので注意しましょう。

 玉ねぎの可食部位は、葉の根元の部分が養分を蓄え分厚くなったものが鱗状に重なっているため「鱗茎」と呼ばれます。

 内側は肉厚で甘みが強く、外側は繊維質で辛みが強いため、生食するなら内側が向いています。