ママ友が高校生のお子さんの送迎をしています。「定期券代が高いから」と言っていますが本当ですか? 学生ならそんなに高くないと思うのですが。

AI要約

通学定期は割引率が高く、コスパがよい公共交通機関の割引乗車券である。

通学定期の割引率は通常の運賃や通勤定期と比べて大きく、交通費をおさえる効果がある。

公共交通機関の運賃は値上げ傾向にあるが、通学定期は割引率を保ちながらも価格が上昇している。

ママ友が高校生のお子さんの送迎をしています。「定期券代が高いから」と言っていますが本当ですか? 学生ならそんなに高くないと思うのですが。

電車やバスでの通学を経験したことがある人の多くは、通学定期券は割引率が高く、コスパがよいという印象を持っているのではないでしょうか。「定期券代が値上げされたからといって、車での送迎が節約になるほど高価になったの?」と疑問に思う人は多いでしょう。

そこで本記事では、通学定期の割引率や価格の動向を紹介するとともに、車で送迎する場合との通学コストを比較します。

定期券は、路線バスや鉄道の一定の区間を繰り返し利用する人を対象にした、一定の期間と区間内に限って何度でも乗り降りできる割引乗車券です。通勤定期(一般定期)と通学定期があり、一般的には通学定期の割引率は高く設定されています。

一般社団法人日本民営鉄道協会によると、民営鉄道だけに限れば大手民営鉄道では通勤定期の割引率が36~45%台なのに対して通学定期の割引率は66~82%台、地方民営鉄道では通勤定期の29~53%台に対して通学定期が42~81%台の割引率です(2019年、初乗運賃区間・1ヶ月定期の場合)。

物価が高騰し、さまざまな公共交通機関が値上げを実施するなかでも、通学定期が大きな割引率を保っていることに変わりはありません。「定期券代が高い」といっても、通常の運賃や通勤定期と比べると交通費がおさえられることは間違いないでしょう。

公共交通機関の運賃は、運行にかかるコストの上昇などにともなって、必要に応じて値上げが行われてきました。ただし、消費税率引き上げにともなう値上げを除いて運賃を長年据え置いてきた会社も多く、物価上昇の傾向などに比べると値上げがおさえられてきた分野だといえます。

しかし近年は、光熱費の上昇やコロナ禍にともなう利用者減少などの影響で、運賃の値上げを行ったり、予定している交通機関が相次いでいます。運賃の値上げにともない通勤・通学定期を値上げする会社もあり、通学定期の購入費用は上昇傾向だといえるでしょう(値上げ時にも定期の料金を据え置く会社もあり、実態は利用する路線により異なります)。