トップアスリートが実践する睡眠術 「R90テクニック」、”睡眠の質”を高めるその方法をスリープコーチが解説

AI要約

"R90テクニック"は、1日を16分割して眠りを計画的に設計する睡眠術で、睡眠の質がパフォーマンスに直結することが示されている。

このテクニックは、体内時計を整えるために眠りの質を高めることを目指し、睡眠時間を決める際に重要な要素として考案されたものであり、具体的な生活例も提供されている。

日中眠い人や活動量が少ない人にも適用可能な方法として、1日の目標設定やプチ瞑想などのアクションを取ることが効果的であることが示唆されている。

トップアスリートが実践する睡眠術 「R90テクニック」、”睡眠の質”を高めるその方法をスリープコーチが解説

1日を16分割することで計画的に眠りを設計するという「R90テクニック」。睡眠の質が即パフォーマンスにつながる一流アスリートが信頼する睡眠術を、大公開します。

“ここ一番”の大会でカギを握るのが、眠りのマネジメント能力だ。

「キモは長さだけでなく、質。そのためのルーティンを作れるかどうかが重要なのです」と言うのは矢野達人さん。

レアル・マドリードなどで眠りを指導したカリスマ、ニック・リトルヘイルズ氏から「唯一の弟子」と認められたスリープコーチだ。

「大谷(翔平)選手が“深い眠り”を重要視するのは、成長ホルモンが多く分泌することでけがの治りを促進し、ネガティブな感情を整理してくれるから。重要な場面で実力を発揮できるかは、睡眠の質にかかわっているのです」(矢野さん・以下同)

上質な睡眠を取るために考案されたのが、24時間を90分×16サイクルに分けて1日の活動を設計する「R90テクニック(以下、R90)」。

◆R90の生活例

5サイクル睡眠、6:30起床の場合、就寝は23:00となる。第1 、11サイクルはルーティン化して体内時計を整え、眠りの質を高める。

「眠れない人は、無理して長く寝床にいるよりは、4サイクル睡眠から始めて途中覚醒しない“密度の高い眠り”を目指しましょう」

日中眠い人は第4~5サイクルの間に10~15分の仮眠を取ったり、1~2分の「プチ瞑想」を。活動量が少ない人は、日中になるべく体を動かす予定を入れよう。

「やり方は、まず自分の生活に合った起床時間を決め、睡眠時間を決めます。一般のかたなら5サイクル(7時間30分)の睡眠時間が適切でしょう。トップアスリートは、ここからサイクルごとに細かく行動予定を入れますが、一般のかたに望むのは2つだけ。起床後の第1サイクルと就寝前の第11サイクルをルーティン化することです。これにより、眠りや翌日のパフォーマンスが格段に変わります。

第1サイクルでやってほしいのは『朝起きて日光を浴びる』『1日の目標を口に出すか書き出す』『深呼吸』の3つ。目標とは、『○○時までに書類を作る』『窓掃除をする』などの具体的なタスクのこと。これを設定すると1日の過ごし方が明確になり、達成していく小さな成功体験が、大きな自信となるのです。

その後1~2分、鼻から吸って口から吐く深い呼吸を“無心”で行う『プチ瞑想』を。それから、通常の朝の支度をしてください」

第11サークルは、深い眠りのための時間。

「入浴や軽いストレッチ、深呼吸で心身をほぐす。毎日続けると、『もうすぐ眠るんだ』と脳が記憶し、入眠モードになる。くれぐれも、SNSの書き込みや、嫌なことを思い出す時間に使わないように!」

ルーティン化すると生活のリズムが整い、心身の状態も上向いてくるそうだ。