火星に生命の痕跡か NASA探査機が発見

AI要約

米航空宇宙局は、火星探査車が火星の痕跡を発見し、地球外生命の存在を初めて裏付ける可能性があると発表しました。

白いカルシウムの鉱脈や有機化合物の存在から、かつて火星に水が存在し、微生物が生息していた可能性が示唆されています。

火星サンプルリターン計画により、2030年代に地球に持ち帰られた試料が詳細に分析される予定です。

火星に生命の痕跡か NASA探査機が発見

【AFP=時事】米航空宇宙局(NASA)は25日、火星探査車「パーシビアランス(Perseverance)」が、火星にかつて生命が存在していた可能性を示す痕跡を見つけたと発表した。最終確認されれば、地球外生命の存在を初めて裏付ける発見となる。

 NASAによると、パーシビアランスは21日、かつて川が流れていたネレトバ渓谷(Neretva Vallis)で、「チェヤバ・フォールズ(Cheyava Falls)」と名付けた岩石に穴を空けて試料を採取。

 岩石には白いカルシウムの鉱脈が走っており、これはかつて水が流れていたことをはっきりと示している。

 またパーシビアランスに搭載されているSHERLOC(シャーロック)と呼ばれる観測装置で調べたところ、鉱脈の間の赤みがかった部分には、有機化合物が含まれている。

 そこにはヒョウの斑点を思わせる、黒い縁に囲まれたオフホワイトの斑点が見られる。これを惑星X線岩石化学装置(PIXL)にかけると、数十億年前に火星の地表に水があった時に生息していた微生物のエネルギー源だった可能性のある化学物質が確認された。

 パーシビアランスの科学班メンバー、豪クイーンズランド工科大学のデービッド・フラナリー(David Flannery)准教授(宇宙生物学)は「地球では、岩石のこうした特徴は地表面下に生息していた微生物の痕跡と見なされることが多い」としている。

 パーシビアランスに格納された試料は、2030年代に予定されている、NASAと欧州宇宙機関(ESA)の協力ミッション「火星サンプルリターン計画」の一環で地球に持ち帰られ、改めて詳細な分析が行われる予定。【翻訳編集】 AFPBB News