月の砂を採取へ小型月面探査車を初公開 今冬打ち上げ 宇宙ベンチャーのアイスペース

AI要約

日本の宇宙ベンチャー「アイスペース」は、小型月探査車を米国のロケットで打ち上げる計画を発表しました。

月面に着陸して月の砂を採取し、その所有権をNASAに販売する計画で、世界初の月における商取引となる見込みです。

アイスペースは以前の月着陸失敗を挽回すべく、新しい探査車を製作し、「雪辱戦」として再挑戦する予定です。

月の砂を採取へ小型月面探査車を初公開 今冬打ち上げ 宇宙ベンチャーのアイスペース

日本の宇宙ベンチャー「アイスペース」(東京都中央区)は25日、今冬に米国のロケットで打ち上げる予定の小型月探査車を、ルクセンブルクの同社欧州子会社で初公開した。来年に月面着陸して月の砂を採取し、所有権を米航空宇宙局(NASA)に販売する計画。実現すれば、月における世界初の商取引となる。

探査車は欧州子会社が設計から組み立てまで行い、英語で粘り強さを意味する「テネシアス」と命名した。重さ約5キロで高さ26センチ、幅31・5センチ、全長54センチ。月面の滑りやすい砂地をしっかりと捉えて走行できるよう、車輪の形状を工夫した。

搭載するスコップを使って砂を採取する様子をカメラで撮影し、その際の映像や観察データなどとともに砂試料の所有権をNASAに販売する。NASAは、月面での資源開発などにデータを活用するとみられるが、砂を地球に持ち帰る計画は今のところないという。

アイスペースは、昨年4月にも月面着陸に挑んだが、月着陸船が高さ約5キロから墜落して失敗に終わったため、今回は「雪辱戦」となる。