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【解説】“有害”PFASに初の評価 水道水は安全か異例の全国調査 岡山・吉備中央町では基準値“28倍”…住民に不安広がる
食品安全委員会は、有害な有機フッ素化合物「PFAS」について初の評価をまとめ、国にリスク管理を求めた。
PFASは河川や水道水で広範に検出され、特に「PFOA」と「PFOS」が毒性が強いとされている。
国内各地でPFASが検出され、健康への影響評価が不十分とされており、対応が急務とされている。
食品安全委員会は24日、有害な有機フッ素化合物「PFAS」について初の評価をまとめ、国にリスク管理を求めた。
PFASは河川や水道水で広範に検出され、特に「PFOA」と「PFOS」が毒性が強いという。
各地の河川などから検出が相次ぎ、有害性が指摘されている有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」について、食品安全委員会は、初めての評価を正式にとりまとめ、国に対し、適切なリスク管理を求めた。
国内各地の河川や水道水などで検出が相次いでいる「PFAS」をめぐって、食品安全委員会は、飲料水や食品などとして体内に入った場合の健康への影響についての評価書の案を正式に了承した。
この中では、健康影響についての情報が不足していて、データの収集を早急に進め、高い濃度が検出されたものに対する対応を進めることが必要だとしている。
一方、政府は水道水についての全国調査に乗り出していて、伊藤環境相は、調査を行う水道事業者に対して、「地域の安全・安心を確保するため、可能なかぎり協力していただきたい」と呼びかけている。
ここからは、フジテレビ・立石修取材センター室長が解説する。
フジテレビ・立石修 取材センター室長:
発がん性も指摘されている「PFAS」。全国の水道水を調査ということだが、岡山や沖縄以外にも、東京などでも問題になっている。
「PFAS」とは人工的に作られた有機フッ素化合物の総称で、その数は4700種類以上。この中の「PFOA」と「PFOS」の2種類が、特に毒性が強く問題になっている。
宮司 愛海 キャスター:
全国でどれくらい広がっているのかといいますと、環境省がまとめた公共用水域と地下水でのPFAS検出状況のマップがあります。
国の目標値50ナノグラムを超えた場所は、関東や関西などの都市部で目につきます。
立石 取材センター室長:
岡山県の吉備中央町は、町で調査を行ったところ、28倍という飛び抜けて高い数値が確認された。
宮司 キャスター:
2023年10月の吉備中央町の発表では、現場は町民の飲み水としても利用されている町の浄水場で、町民には不安が広がりました。
住民:
まさか自分らにこんなことが降りかかってくると思わなかった。
住民:
知らない間に摂取しているかもしれないから心配。
立石 取材センター室長:
町は、飲み水としての使用を制限するなどの対応をしている。早ければ2024年10月には、希望者に血液検査などを行うとしている。
宮司 キャスター:
さらに沖縄では、アメリカ軍基地周辺の河川や湧き水での水質を調べた結果、33地点で国の目標値の50ナノグラムを超えているのが確認されたということです。
青井 実 キャスター:
ーーなぜこのタイミングで検出が増えているのでしょうか?
立石 取材センター室長:
問題となっている2種は、もともとはフライパンのコーティング加工や食品のパッケージなど、身近なモノにも使われていた。ただ、毒性が強いと判明した段階で製造や輸入が原則禁止され、現在はほとんど使用されていない。
しかし、自然界では分解されない物質で、「永遠の化学物質」とも呼ばれている。かつて工場や基地、空港などで利用され、土壌に沈着したものが地下水を通じ河川などに流れ出て、顕在化しているとみられる。