佐藤優氏の「怒り心頭」 近くて遠い日本と沖縄

AI要約

元外務省主任分析官の佐藤優氏が、米軍嘉手納基地に勤務する兵士による未成年少女誘拐事件が政府と県の情報伝達問題について語った。

沖縄人の日本離れが進んでおり、沖縄の人々が政府に対する不信感を募らせていることを指摘した。

沖縄差別の構造や玉城知事の怒りなど、事件がもたらすさまざまな問題について再認識を促している。

佐藤優氏の「怒り心頭」 近くて遠い日本と沖縄

 作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏は毎日新聞政治プレミアに寄稿した。

 米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)に勤務する米空軍兵が、県内在住の16歳未満の少女を車で誘拐し、同意なくわいせつな行為をしたとして、今年3月27日付で起訴されていたが、6月25日に報道されるまで政府から県への情報提供がなかった問題について、「沖縄人の魂の日本離れが加速している」と語った。

 佐藤氏は、「玉城デニー沖縄県知事は怒り心頭に発している」としたうえで、「これは玉城知事の政治的立場からの発言ではない。沖縄県政与党、野党を問わず沖縄のすべての政治家、メディア関係者、一般の人々、さらに沖縄県外に住む筆者のような日本系沖縄人を含む沖縄人の標準的感覚だ」と言う。

 「沖縄人は、この事件、さらに日本政府が沖縄県に容疑者起訴の情報を伝達しなかった背後に日本による構造的沖縄差別があるという現実を再認識した」と語った。