新NISAの出口戦略とは? 2000万円あっても投資信託の取り崩しは「長生きリスク」に 桶井道【おけいどん】

AI要約

桶井道さんの連載では、投資の出口戦略について解説しています。出口戦略とは、将来の資金利用の方針を考えることを指します。

桶井さんは、単純に現金化するだけでは長生きリスクを考慮して十分な資金が必要であり、運用を継続することが重要だと述べています。

投資信託の取り崩しについても検討しましたが、老化による能力の低下や感情面を考慮すると難しいとしてオススメしないという見解が示されています。

新NISAの出口戦略とは? 2000万円あっても投資信託の取り崩しは「長生きリスク」に 桶井道【おけいどん】

 個人投資家の桶井道(おけいどん)さんの連載「おけいどんの投資&適温生活LIFE」。今回のテーマは投資の出口戦略の実際についてです。出口戦略とは、投資で増やしたお金を将来どのようにして利用できる形にするか、その方針のこと。桶井さんは「ただ現金化するだけでは、長生きした場合にいつ資金が尽きるか不安になってしまいます」と言います。長生きリスクを考慮したうえで、出口戦略はどんな方法が考えられるのか。桶井さんの著書『お得な使い方を全然わかっていない投資初心者ですが、NISAって結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)の一部を抜粋し、編集しました。

■主に3つの出口戦略が考えられる

投資の出口戦略として考えられる方向性は、大きく分けて次3つです。

(1) 増やした資産を全額現金化する

(2) 投資信託を少しずつ取り崩す

(3) 個別株やETFから配当金や分配金を受け取る

 このうち、(1)の全額現金化は非現実的です。老後に資産運用をせずに逃げ切る、つまり死ぬまで生活に必要な現金を維持するには、現金化した時点で相当な資産が必要だからです。 自分の寿命がいつ終わるかはわかりませんし、昨今の物価高のゆくえも気になります。いくらあれば安全圏か、事前にはわかりません。

 また運用なしでは現金が減る一方になりますから、仮に資産額には余裕があったとしても(あるように思えても)、メンタル的によくありません。やはり、なんらかの方法で運用を継続するのが現実的でしょう。

■投資信託の取り崩しに「老い」が立ちふさがる

 (2)の投資信託の取り崩しはどうでしょうか? 先に結論から言うと、私はオススメしません。投資信託は、分配金を出さずに自動で再投資するタイプであれば、お金の増え方の面では効率的なケースが多いです。そこは否定しません。しかし、投資は「数学的要素(=効率)」だけでは語れません。人間には心があることと、老化により能力が落ちることが問題となります。