久しぶりに実家に帰ると父親が「待てど暮らせど年金が払われない」と。聞いてみたら年金の請求をしていなかった!これまでの年金はどうなる?

AI要約

Aさんの父親が年金の請求をしていなかったため、Aさんが訪れて助けることになる。

公的年金は請求しなければ受け取れないため、注意が必要。

Aさんは父親に代わって年金を請求し、時効ギリギリで受け取ることができた。

久しぶりに実家に帰ると父親が「待てど暮らせど年金が払われない」と。聞いてみたら年金の請求をしていなかった!これまでの年金はどうなる?

Aさんの父親は遠方で一人暮らし、家庭内のことをすべて任せていた妻(A さん母)は数年前に他界しています。

退職後は家にこもりがちだと聞き、久しぶりに実家を訪れると父親が「待てど暮らせど年金が払われない」と言うので、よく聞いてみると年金の請求をしていませんでした。これまでの年金はどうなるのでしょうか?

公的年金で愚痴の1つに、「会社員の保険料は、黙っていても自動的に給与から天引きされるのに、受け取る時は請求手続きが必要なんだね」と言われます。

公的年金は請求しなければ受け取ることができません。国民年金法第16条と厚生年金保険法第33条に「保険給付(給付)を受ける権利は、その権利を有する者の請求にもとづいて、実施機関(厚生労働大臣)が裁定する」とあるためです。

受け取る時期になると、自動的に振り込まれるわけではありません。Aさんは父親と離れて暮らしています。母が他界してから一人暮らしのため、心配になることもしばしば。一人暮らしになり、家にこもりがちな父親に、スマートフォンを購入。SNS等の操作を覚えてもらい連絡をとるようにしました。

ある日、父親の「このままでは貯蓄がなくなってしまう。年金はいつ振り込まれるのだろうか」との書き込みを見たAさんは、久しぶりに実家を訪れます。すると、「待てど暮らせど年金が払われない」と言うので、よく聞いてみると年金の請求をしていませんでした。

Aさんは近くの年金事務所に連絡をしてみます。「詳細はご本人さまでないとお伝えできませんが、Aさんのお父さまの生年月日では62歳から、厚生年金保険(老齢厚生年金)を受け取ることができます」とのことでした。

Aさんの父親は、もうすぐ67歳。何かお知らせがきていなかったのかたずねると、「何か来ていたかもしれないが、お母さんに任せっきりだったから……」とのことでした。

Aさんは父親に委任状を書いてもらい、年金事務所に相談にいきました。そこで言われたことが、「良かったです。もうすぐ時効にかかって年金が受け取れなくなるところでした」

Aさん、「え?! 年金が受け取れないとはどういうこと?」

相談員、「年金の時効は5年です。65歳前の年金はその時期に受け取るものなので、お父さまはもうすぐ67歳になります。67歳を過ぎてしまうと、5年経過するので年金が1ヶ月ずつ受け取れなくなる可能性が出てきます」

Aさんは、その日のうちに請求しことなきを得ました。間に合ってよかった。時効で消滅した年金はなく、初回にいままでの分がまとめて振り込まれるとのこと。放置していたら、受け取れなくなるところでした。