資産3000万円のS&P500信者「相場がどうなるかわからない。だから長期保有」インフルエンサー推奨しの個別銘柄で損した過去

　昨今の株式市場では、どの銘柄も株価が軒並み上昇しているため、今から投資を始めても遅いと感じている人もいるかもしれない。

　そういった人たちは、ぜひ「インデックス投資」を検討してみるのも一つの手だ。

　インデックス投資は銘柄のリサーチが不要で、平均的なパフォーマンスを得る可能性が高いため、投資初心者に最適な投資手段と言えるからだ。

　今回注目する、S&P500全力マン氏(X：@mouketaiyone)も、兼業投資家として活動しており、アカウント名どおり、余剰資金の大部分を「三菱UFJ－eMAXIS Slim 米国株式」(以下、S&P500)に投資して資産を築いている。2024年6月の資産はおよそ3000万円だった。

　みんかぶマガジン短期連載「S&P500投資家が実践する、コスパ&タイパ重視の投資術」。

　第3回は、彼のポートフォリオと情報収集源、さらに2024年度の株式相場における見通しについて話を伺った。

ーーS&P500全力マンさんが見る、2024年度の株式相場の見通しについてお聞かせください。

　単刀直入に言うと「わからない」が答えです。未来の株価がわかる方なんて存在しないと思っています。それにこれまでプロと呼ばれる方たちが、予想を外してきたのを何度も見ていますしね。

　そもそも株価は今わかっている情報で動くのではなく、これから起こり得ることを織り込んで動くので、2024年度の下半期がどうなるのかは、予想できないものだと思っています。だからこそ私は短期トレードをせず、長期保有すると決めているんです。

ーー最後に、これから投資を始める方に向けてアドバイスをいただけますか？

　投資するにあたって、なぜ自分がその投資方法を選んでいるのかを、腑に落とすことが大事だと思っています。

　私の場合であれば、余剰資金ができたらタイミングを読まずにインデックス投資をするのがマイルールです。そして「なぜインデックスファンドを選ぶのか？」「なぜ夕イミングを気にしないのか？」という点について、しっかりと理解しているからこそ、株価に大きな変動があっても動じずにいられます。

　ただし、これができていないと深く考えず、他人が勧めた銘柄を言われるがままに購入してしまったりするのです。これでもし株価が暴落でもしたら「誰々さんが言っていたから買ったのに間違っているじゃないか」と他責思考になり、また違う方を参考にしたり、最悪、変な投資詐欺に引っかかってしまうことにもなりかねません。

　逆に腑に落とせていれば、理論に基づいた長期的な投資ができると思うので、そこは常に意識してみてください。

　かく言う私も、Xを始めた頃にインフルエンサーが推奨していた日本株の個別銘柄を購入して損をしたことがあります。その時は逆恨みしてしまったのですが、今思えばとても愚かな行動だったなと反省しています。

　読者のみなさんには「投資は自己責任」だと理解してもらった上で、私の話が少しでも参考になれば幸いです。

〈構成・西脇章太(にげば企画)〉