タワマン住民の“金融パワー”に驚愕…「修繕積立金」運用で2億円増! 「秋祭りの内容よりも簡単にまとまった」

AI要約

修繕積立金を運用して収益を上げるマンション事例。

金融のプロが集まって運用計画を立て、社債への投資を続ける。

空きスペースの有効活用や共用施設の改善によりマンションの価値向上を図る。

タワマン住民の“金融パワー”に驚愕…「修繕積立金」運用で2億円増! 「秋祭りの内容よりも簡単にまとまった」

 マンションの修繕費などをまかなうために住民が毎月支払う「修繕積立金」。

 いくら集めて、どのように使うのか。多くのマンションが抱える共通の課題とも言える。

 国土交通省の調査(2023年度)によると、積立金の残高が長期の修繕計画に対して「不足している」というマンションの割合は36.6%にのぼる。

 そんな中、修繕積立金を運用して収益を上げているマンションがある。

 「(修繕積立金は)全部合わせると25億円くらい。(運用して)貯まったお金を足し合わせると概ね2億4000万円」

 神奈川県川崎市武蔵小杉。通称「ムサコ」にあるタワーマンション「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」の住民で、管理組合法人の代表理事兼副理事長の志村仁さん。およそ8年前、修繕積立金が増額されたことがきっかけで運用の方針転換をしたという。

 「『運用の経験がある方はいませんか?』『ボランティアでこういう運用計画・運用方針を立てたいので名乗りを上げてくれませんか』と公募したら、数名が手を挙げてくれた」(志村さん、以下同)

 志村さんの呼びかけに集まったのは、マンションに住む現役のファンドマネージャーや大手証券会社、外資系投資銀行で運用を行う金融のプロたち。そこで話し合って出た案が…

 「格付けの高い社債(一般の企業が市場から直接資金調達するために発行する債権)への投資を始めた。10年満期の社債を選び、金利の高いものが出たら選ぶことを繰り返し、毎年ちょっとずつ積み上げることを継続してきた」

 金融のプロの集まりだからこそ、意思統一が難しいように思えるが、志村さんによると「マンションの秋祭りの内容を決めるよりも簡単にまとまった」という。

 ほかにも、マンションの駐車場の空きスペースを外部に貸し出したり、余っているスペースに住民向けの有料トランクルームを設置したりすることで、年間2000万円以上得ているという。

 「さらに余っている空間にネットを張ってゴルフの練習場にした。大きなお金にはならないが、放っておくよりマシだろうと。要するに『少しでもマネタイズできるところがあれば小さくてもいいからやっていこう』というのが私どものマンションの一つの大きな方針だ」

 これらの取り組みが、結果的にマンションの価値を上げることにもつながると志村さんは話す。

 「戸建ての家と違ってマンションは自分の部屋だけが財産ではない。計算すると共用施設の方が資産価値が大きい。であれば、共用施設をなんとかしなければ自分の資産が減ってしまう。お金(修繕積立金)が足りないことを他人事ではなく自分事として考える。簡単なようで実は難しいが、そこから始めることが何より大事だ」

(『ABEMAヒルズ』より)