10月支給の「厚生年金・国民年金」から天引きされる4つのお金とは。税金・保険料など天引きされるお金一覧

AI要約

厚生労働省が発表した「令和5年 簡易生命表」によると、男性の平均寿命は81.09年、女性の平均寿命は87.14年で前年よりも若干上昇している。

日本は世界的にも長寿国であり、平均寿命の延長により介護が必要な人が増えている。

厚生年金の平均受給額は全体で月14万3973円であり、老後の生活を支えるには不足する可能性が高い。

10月支給の「厚生年金・国民年金」から天引きされる4つのお金とは。税金・保険料など天引きされるお金一覧

厚生労働省が発表した「令和5年 簡易生命表」によると、男性の平均寿命は81.09年、女性の 平均寿命は87.14年となり、前年と比較して男は0.04年、女は0.05年上回っています。

日本は世界的にも長寿国であり、平均寿命が年々延びています。平均寿命が延びることにより、介護が必要な人も増えています。

介護保険料の上昇や、介護サービスを提供する人材の不足から人件費が増加しており、介護にかかる費用も増加しています。

今回は日本の公的年金制度についておさらいしながら、老齢年金の平均受給額と天引きされるお金について、どれくらい受給できるのか解説します。

※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

はじめに、日本の公的年金制度についておさらいしておきましょう。

●国民年金(老齢基礎年金)

 ・日本に住む20歳以上60歳未満の人が原則として加入

 ・保険料は一律

 ・40年間保険料を支払うことで満額の年金を受給できる

●厚生年金(老齢厚生年金)

 ・国民年金に上乗せして加入

 ・現役時代の所得などに応じて保険料が異なり、加入期間や支払った保険料によって受け取れる年金額が変わる

厚生年金は主に会社員や公務員が加入し、給与に応じた保険料を支払い、将来の年金額が高くなる傾向があります。また、雇用主と従業員が保険料を分担します。

一方、国民年金は自営業者や学生、フリーランスなどが対象で、保険料は一律です。受給額は厚生年金に比べて少ない場合が多いですが、40年間未納なく保険料を支払った場合、全員が共通の基礎年金を受け取る仕組みです。どちらも老後の生活を支えるための重要な制度です。

次章では老齢年金の平均受給額(額面)を確認していきましょう。

ここからは、厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、厚生年金の平均受給額を見ていきます。

以下の金額には、国民年金部分も含まれています。

●厚生年金の平均受給月額

 ・〈全体〉平均年金月額:14万3973円

 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円

 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円

※国民年金部分を含む

●厚生年金月額階級別の老齢年金受給者数

 ・1万円未満:6万1358人

 ・1万円以上~2万円未満:1万5728人

 ・2万円以上~3万円未満:5万4921人

 ・3万円以上~4万円未満:9万5172人

 ・4万円以上~5万円未満:10万2402人

 ・5万円以上~6万円未満:15万2773人

 ・6万円以上~7万円未満:41万1749人

 ・7万円以上~8万円未満:68万7473人

 ・8万円以上~9万円未満:92万8511人

 ・9万円以上~10万円未満:112万3972人

 ・10万円以上~11万円未満:112万7493人

 ・11万円以上~12万円未満:103万4254人

 ・12万円以上~13万円未満:94万5662人

 ・13万円以上~14万円未満:92万5503人

 ・14万円以上~15万円未満:95万3156人

 ・15万円以上~16万円未満:99万4044人

 ・16万円以上~17万円未満:104万730人

 ・17万円以上~18万円未満:105万8410人

 ・18万円以上~19万円未満:101万554人

 ・19万円以上~20万円未満:90万9998人

 ・20万円以上~21万円未満:75万9086人

 ・21万円以上~22万円未満:56万9206人

 ・22万円以上~23万円未満:38万3582人

 ・23万円以上~24万円未満:25万3529人

 ・24万円以上~25万円未満:16万6281人

 ・25万円以上~26万円未満:10万2291人

 ・26万円以上~27万円未満:5万9766人

 ・27万円以上~28万円未満:3万3463人

 ・28万円以上~29万円未満:1万5793人

 ・29万円以上~30万円未満:7351人

 ・30万円以上~:1万2490人

厚生年金の平均受給額は「14万3973円」という結果になりました。

公益財団法人生命保険文化センター「生活保障に関する調査」では「夫婦2人で老後生活を送るうえでの生活費として最低いくら必要と考えるか」という問いに対する平均額は「月額23万2000円」となっています。

厚生年金は国民年金よりも手厚いとされていますが、この意識調査を考慮すると、老後の最低限の生活を賄うには不足する可能性が高そうです。

ちなみに、厚生年金は公務員や会社員が対象です。では、フリーランスや専業主婦(夫)が加入する国民年金の平均受給額について、次章で詳しく見ていきましょう。