現代自動車副社長が明かす「EVシフト」日韓の差、足元減速「日本は芳しくない」でも将来に自信

AI要約

韓国の現代(ヒョンデ)自動車グループが2030年までに年間200万台のEV販売を目指し、電動化戦略を加速している。

2024年の韓国自動車市場では、可処分所得の減少により自動車需要が5%減少する見込みであり、EVの販売台数も減少すると予測されている。

韓国ではEVの受け入れ体制が整っており、インフラ整備、関連技術、消費者の認識の面でヨーロッパに比肩する。将来的にはEVの普及が期待される。

現代自動車副社長が明かす「EVシフト」日韓の差、足元減速「日本は芳しくない」でも将来に自信

韓国の現代(ヒョンデ)自動車グループ(Hyundai、KIA、Genesisブランド)の2023年の世界販売台数は730万で、トヨタ自動車、フォルクスワーゲンに次ぐ世界3位の自動車メーカーだ。2030年までにEV(電気自動車)を年間200万台販売する目標を掲げ、電動化戦略を加速させている。

日本市場では2009年に撤退したものの、2022年2月に再参入し、現在はEV「IONIQ(アイオニック)5」と「KONA(コナ)」、FCV(燃料電池車)「NEXO(ネッソ)」をオンラインで販売している。現代自動車で日韓事業を統括するジョン・ユソク副社長に、日本再参入の手応えと日韓のEVシフトについて聞いた(個別取材と会見を基に構成)。

 ――2024年の韓国自動車市場の見通しは。

 世界共通の問題として、物価高による可処分所得の減少が起きている。そういった状況なので、2024年の韓国の自動車需要は前年比で5%ほど減少すると予測している。

 世界の主要国では、EVの販売が芳しくない局面に来ている。韓国は充電スタンドなどEVインフラが構築されており、政府による購入補助金などもある。その点は他国よりも非常に進んでいるが、韓国でもEVの販売台数が減少すると考えている。

■韓国のEVの受け入れ体制は整っている

 ――日米などと比較して、韓国のEV普及は進んでいるのでしょうか。

 EVにおいて韓国が比較できる国はヨーロッパ諸国だろう。ヨーロッパと比較すると、韓国は大きく3つの点で、EVの受け入れ体制が整っている。EVインフラの整備状況、バッテリーなどのEV関連技術、それから消費者の認識だ。

 ヨーロッパの主要国では補助金が削減されている。国によっては補助金が全廃されるような状況にもなっている。一方で韓国は、政府、それから自治体レベルでもさまざまな支援と補助金があり、インフラの拡充も持続的に行われている。なので、現段階ではEV需要が若干伸び悩んでいるものの、将来的にはEVがかなり拡大していくと考えている。