北陸新幹線「大阪延伸」 小浜・京都ルートに強力援軍! 狙いは“山陰新幹線”も、地元じゃ「在来線も困ってるのに」の塩対応

AI要約

福井県を起点とする北陸新幹線の大阪延伸ルートについて、小浜・京都ルートと米原ルートの論争が激化している。

石川県議会で行われた決議では、小浜・京都ルートを推進する声が最大会派の自民党から出され、賛成多数で可決された。

一方、山陰や北近畿地方の自治体は山陰新幹線の誘致を願い、小浜・京都ルートを支持している。

北陸新幹線「大阪延伸」 小浜・京都ルートに強力援軍! 狙いは“山陰新幹線”も、地元じゃ「在来線も困ってるのに」の塩対応

 北陸新幹線の大阪延伸が小浜・京都ルートか、米原ルートかで論戦が続くなか、小浜・京都ルートに援軍が現れた。山陰新幹線の誘致を願う山陰や北近畿地方の地方自治体だ。

「本案を可決することに賛成の諸君の起立を求めます」

6月下旬の石川県議会本会議、議場に善田善彦(よしひこ)議長の声が響き渡る。採決されたのは、北陸新幹線の大阪延伸ルートを滋賀県米原市のJR米原駅で東海道新幹線に接続する米原ルートへの再考を求める決議案だ。

 決議案は最大会派の自民党が提案した。長田哲也氏(自民)は賛成討論で小浜・京都ルートの先行きが不透明なことに加え、「米原ルートなら工事区間短縮で建設費削減が見込める」と訴える。これに対し、反対討論の岡野定隆志氏(未来石川)は

「不確かな根拠を基に米原ルートを要求するのは地域エゴのそしりを免れない」

と反論した。採決の結果は

・賛成:32

・反対:6

 馳浩知事は決議案可決後、これまで通り小浜・京都ルートを推進する考えを示したが、自民党県議の間からは大差での可決に

「県議会の意思が示された」

と胸を張る声が相次いだ。

 福井県敦賀市の敦賀駅まで開業している北陸新幹線の大阪延伸は2016年、福井県小浜市経由で京都府へ入り、京都市の京都駅を通って大阪市の新大阪駅へ向かう小浜・京都ルートと決まった。しかし、

「京都府内で反対の声」

が強く、着工のめどが立っていない。このため、一日も早い開通のため、米原ルートへの見直しを求める声が各地で出ている。

 小松市など南加賀6市町が米原ルートで足並みをそろえたほか、石川県の経済界や富山県議会、京都府議会の一部議員からも見直しを求める声が上がり、日本維新の会と教育無償化を実現する会の国会議員団は国土交通省へ米原ルートへの変更を求める提言書を出した。

 与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームは石川県議会の決議案可決の2日前に開いた検討委員会で、2024年度中に小浜・京都の詳細ルートや駅の位置を決め、2025年度中の着工を目指す考えを示した。国交省や沿線府県、JR西日本も小浜・京都ルート推進に変わりないが、米原ルートを推す声が次第に高まっているように見える。

 そんななか、小浜・京都ルートを推す援軍が現れた。山陰や北近畿の自治体で、小浜・京都ルートを山陰新幹線との共用区間として整備し、小浜市から山陰新幹線を北近畿、山陰へ延伸しようと考えている。北近畿の自治体担当者は

「米原ルートでは山陰新幹線を接続できない。論外」

と切り捨てた。