【年金と併用可】65歳以上の失業手当「高年齢求職者給付金」とは?元公務員が知って得する情報をお届け

AI要約

高齢者の離職理由や退職後の支給手当について解説された記事です。

高年齢求職者給付金について、年金との併用や繰り返し受給の特徴が詳細に説明されています。

離職後の再就職支援制度や手続き方法についても触れられており、参考になる情報が含まれています。

【年金と併用可】65歳以上の失業手当「高年齢求職者給付金」とは?元公務員が知って得する情報をお届け

厚生労働省の「令和4年雇用動向調査」によれば、65歳以上の高齢者の離職理由のうち、契約期間の満了が男性37.4%、女性23.1%、定年が男性11.8%、女性8.5%となっています。

高齢労働者の多くが、時期が来ると強制的に退職となり、労働収入が途絶えてしまうのが現状です。

従業員が退職する際に雇用保険に加入している場合、失業給付として基本手当を受けられます。一方、65歳以上の人は「高年齢求職者給付金」を受け取ることになります。

高年齢求職者給付金とは、どのような特徴の制度なのでしょうか。

この記事では、高年齢求職者給付金の概要や受給要件、支給額などを解説します。

後半では、雇用保険の基本手当との違いも解説します。65歳以上で退職したばかりの人は、ぜひ参考にしてください。

※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

高年齢求職者給付金とは、雇用保険に加入している65歳以上の人が離職した際に支給される手当のことです。離職後に再就職の意思がある場合に支給されます。

支給元は厚生労働省です。公的な手当のため、65歳以降で退職した人はぜひ利用したい制度といえます。

支給手続きは住んでいる自治体を管轄するハローワークで行います。給付には期限があるため、できる限り速やかにハローワークで手続きするのがおすすめです。

高年齢求職者給付金の主な特徴としては、以下の2点が挙げられます。

 ・年金と併用して受給できる

 ・繰り返し受給できる

特に同時期に受給することになる年金との関連性は、気になる人も多いでしょう。2つの特徴を詳しく解説します。

●「高年齢求職者給付金」の特徴(1)年金と併用して受給できる

高年齢求職者給付金は、年金と併用して受給可能です。

65歳になる前に年金を受給している人が雇用保険の給付を受けた際、年金のすべてや一部の支給が停止されます。

支給停止となる年金や、停止要因となる雇用保険の給付は以下のとおりです。

 雇用保険の給付を受けると支給停止となる年金

 ・特別支給の老齢厚生年金および退職共済年金:昭和36年4月1日以前に生まれた男性や昭和41年4月1日以前に生まれた女性に対して、60歳~65歳の間で支給される年金

 ・繰上げ支給の老齢厚生年金:65歳以前から繰り上げて受給している厚生年金

 年金の支給が停止される雇用保険の給付

 ・基本手当:雇用保険に加入していた65歳未満の人が離職した際に支給される失業給付手当

 ・高年齢雇用継続給付:60歳以後の賃金が60歳時点の75%未満の人に支給される「高年齢雇用継続基本給付金」基本手当受給後に再就職し、賃金が基本手当の基準となった賃金日額を30倍した額の75%未満の人に支給される「高年齢再就職給付金」の2つ。

しかし、高年齢求職者給付金は、年金と併給しても年金支給が停止されません。求職中も年金を受給し続けられるため、収入を得ながら新しい勤務先探しが可能です。

●「高年齢求職者給付金」の特徴(2)繰り返し受給できる

高年齢求職者給付金は支給回数に制限がなく、要件を満たしていれば繰り返し受給できます。

要件は次章で詳しく説明しますが、一定数以上の雇用保険の被保険者期間や就職の意思、就職できる能力などがあれば、何度失業しても給付金を受け取れます。

なお、雇用保険の基本手当も給付制限はありません。条件さえ満たせば何度でも給付を受けられます。高年齢求職者給付金と雇用保険の違いについても、後ほど解説します。