【まるも亜希子の「寄り道日和」】自然を活かした施設「クルックフィールズ」に行ってきました

AI要約

木更津市にあるKURKKU FIELDS(クルックフィールズ)は、大自然のテーマパークであり、サステナビリティやアートを組み合わせた施設だ。森の中には地中図書館や草間彌生さんのアート作品があり、未来に持続可能な暮らしを築くためのクリエイティブとイマジネーションが重要視されている。

クルックフィールズでは、太陽光発電や水利用など自然を活かした取り組みが行われており、災害時には避難所としても活用できる構造になっている。また、オーガニックな食やアートに触れながら、身体のエネルギーを感じることができる。

設立者の想いやアーティストたちの作品がクルックフィールズには詰め込まれており、未来への期待や郷愁をかきたてる空間として訪れる価値がある。

【まるも亜希子の「寄り道日和」】自然を活かした施設「クルックフィールズ」に行ってきました

 よく撮影や試乗会でお邪魔している、千葉県木更津市のかずさアカデミアパークの近くに、なにやら大自然のテーマパークのようなところができたらしい、と聞いてから、ずっとずっと行ってみたかった「KURKKU FIELDS(クルックフィールズ)」へ、ついにお邪魔する機会に恵まれました! ランドローバーの試乗会の会場となっていて、イヴォーク P300eに試乗したのですが、せっかくなのでクルックフィールズの見どころをガイド付きで案内していただけることに。

 エントランスをくぐって最初のひと言は、「日本じゃないみたい!」でした。広さ30haもの土地に、農業、アート、遊び、学び、レストランやベーカリーといった食の施設、太陽光発電などのサステナビリティ、そして宿泊施設もあるというからすごいですよね。森の小道をてくてく歩いて最初にパッと開けた先に見えたのが、遠くの斜面にずらりと並んだメガソーラー。木を伐採するなど自然を壊すことなく、自然を活かして設置されたのが特徴で、クルックフィールズで使用する電気はここで発電される電気の約80%でまかない、残りは売電しているのだとか。今回の試乗会ではPHEVへの充電もその電気を使わせてもらったんですよ。まさにEVに乗る理想形ですね。

 このクルックフィールズは音楽プロデューサーの小林武史さんによって設立されたそうですが、井戸水が使えることもあり、電気をはじめ食も水も自給自足できるようになっており、万が一の災害時などは避難所として活用できるようにという想いがあるとのこと。人々に楽しんでもらうだけでなく、命の危機に役立てられるように想定しているところが、とても素晴らしい発想だなと感心したのでした。

 そしてまた歩いていくと、現れたのは半分地面に埋もれているような一風変わった「地中図書館」。おそるおそる中に入っていくと、ブックセレクター・川上洋平さんによって選ばれた約3300冊のさまざまなジャンルの本が並んでいます。活字中毒の私にはもう、たまらない空間! しかも、隠れ家のような小さなスペースに椅子やソファがあって、ここで日がな1日、本を読んでのんびりできたらどんなに幸せでしょう~と、うっとりしてしまいました。

 後ろ髪をひかれつつさらに歩いていくと、でました! ここに来る多くの人のお目当ての1つでもあるという、草間彌生さんのアートがデデーンっと目の前に。いや~、初めて実物を見ることができましたが、斬新ですね。でもよくよく眺めていると、深いですね。いろんな角度から眺めたくなります。クルックフィールズには草間彌生さんのアートが3作品あり、ほかにも増田セバスチャンさん、ファブリス・イベールさんといったアーティストの作品が点在しています。

 というのも、これからの未来に持続可能な暮らしを築いていくためには、クリエイティブとイマジネーションが大切だよね、というのがクルックフィールズの考え方。未来がよくなるためにはどうしたらいいか考えるきっかけになればと、地中図書館や場内のアートが存在しています。大地を踏み締め、心地よい風に吹かれながらそうしたアートに触れてまわり、身体の内側からエネルギーが湧き上がってくるような気がしたのでした。

 そして最後に私たちは衝撃的なアートに出会ってしまったのです! それは、まるで大地に横たわる巨人? 令和の古墳? いろんな想像をかきたてる、島袋道浩さんの「ツチオとツチコ:55年後のBED PEACE」という壮大な作品。昔から、「人は土にかえる」などと言われてきましたよね。それなら、土でできた人も、もとは誰かだったかもしれない。そう考えながら制作された作品で、遠く離れた2つの場所の土や石を、それぞれ人の形に置くことで、土と土、石と石の出会いを表現しています。50年後、100年後、この2人はどうなっているのか、目の前にしてみると無性に哀愁と郷愁をかきたてられました。

 しかもこの作品は、階段をおりて近くで見てもいいし、なんなら作品の上に登っても立ってもいい、ということで、編集部・北村さんと一緒にわーいとよじ登り、記念写真を撮ってもらいました(笑)。50年後に私はもう生きていないかもしれませんが、誰かがこの記事を見つけてクルックフィールズを訪ねてくれたり、この作品のその後をレポートしてくれたりしたらいいなぁと思っています。

 この日はたまたま本来なら定休日だったため、レストランやマーケットなどは立ち寄れなかったのですが、お土産にいただいたこの日の朝にとれたての生乳で作った、できたてのモッツァレッラという最高に贅沢な一品がもう、もう、とんでもなくおいしかったことをお伝えしておきます。野菜やパン、ソーセージ、ミルクなど、どれもおいしいと評判なので、今度は絶対にオープン日に来たいと思います。