【日本市況】株式下落、一時144円台へ円高進み業績懸念-債券は上昇

AI要約

日本市場では株式相場が円高進行や業績不透明感の影響で下落。米国の長期金利低下も影響あり。

米利下げ観測やジャクソンホール会合前の展望が為替市場を動かす。ドル安、円高のリスクも警戒。

東京株式市場は円高の進行や業績不透明感から輸出関連株や原油関連株の下落が目立つ。

【日本市況】株式下落、一時144円台へ円高進み業績懸念-債券は上昇

(ブルームバーグ): 21日の日本市場では株式相場が下落。為替の円高進行を受け企業の業績見通しに対する懸念が広がった。円相場は一時2週間ぶりとなる1ドル=144円台に上昇。米国の長期金利が低下した流れを引き継いだ債券相場は上昇(金利は低下)している。

22日から始まるカンザスシティー連銀主催の年次シンポジウム(ジャクソンホール会合)を前に、米利下げ観測から為替市場ではドル安が進み、ブルームバーグ・ドルスポット指数は一時3月以来の低水準を更新した。21日発表の米雇用統計の基準改定で3月までの年間雇用者数の伸びが大幅に下方修正されれば、米景気懸念や大幅な利下げ観測が再燃しかねず、ドル安・円高のリスクが警戒されている。

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いちよしアセットマネジメントの秋野充成社長は、9月の米利下げを控えて為替は円高になりやすく、145円近辺では今期業績の上方修正期待がほぼ消滅しそうだと指摘。りそなホールディングス市場企画部の井口慶一シニアストラテジストは、米雇用者数の改定やジャクソンホール会合と米金利が低下しやすい材料を控えており、144円台半ばまでのドル安・円高進行は「見ておいた方がいい雰囲気だ」と言う。

株式

東京株式相場は下落。前日の147円台から円高が進み、業績不透明感から機械など輸出関連株の一角や米半導体株の下落も嫌気された半導体関連株が軟調だ。ニューヨーク原油先物の続落を受け鉱業や商社など原油関連株も安い。金利低下を材料に銀行や保険株もさえない。

ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは、円高の進行と日経平均の3万8000円付近の上値の重さが意識され、相場は下げていると指摘。「価格帯別の取引を見ると、3万8000-9000円台にボリュームがあるため、戻り売りが出やすい」と述べた。

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