「世の中を変える服」 3つの柱を軸にBコープ認証も取得、CFCLのニットウエア革命

AI要約

2020年に設立されたCFCLは、環境に配慮したイージーケアなニットウエアを提供する急成長ブランドであり、再生資源を活用した責任ある生産を重視している。

3Dコンピューター・ニッティング技術による革新的な編み方によって、残糸が出にくく裁断や縫い合わせが不要なニット服を生み出している。

CFCLは日本初のファッションブランドとして「B Corp」認証を取得し、収益を上げながらも意義のある服づくりを貫いている。

「世の中を変える服」 3つの柱を軸にBコープ認証も取得、CFCLのニットウエア革命

SDGs(持続可能な開発目標)をめぐるラグジュアリー界の最前線をご紹介する連載企画。本記事では、2020年の設立から急成長を遂げる気鋭のニットウエアブランド、「CFCL(シーエフシーエル)」の未来を見据えた服づくりに着目しよう。

今年2024年2月末。CFCLはブランド創設から5年もたたずにパリ・ファッションウィーク(パリコレ)での公式ランウェイショーで新作を発表した。

世界が注目するのは、シンプルに見えて際立つ、構築的なフォルムと洗練された造形ばかりでない。

日常からワークタイム、ドレスアップまでをカバーする、汎用性が高くエレガントなスタイル。それらはすべて、シワになりにくく家庭で洗濯でき、速乾性にも優れたイージーケアな仕様を備える。さらに再生資源を活用。責任ある生産のもとに創造される衣服こそ、このブランドの本領だ。

CFCLは3Dコンピューター・ニッティング技術によって「着る器」のようなニットウエアを生み出している。1本の編み糸から1着のニット服を丸ごと編み上げるイノベーションによって、裁断や縫い合わせが不要のため残糸が出にくい。

2022年7月には、環境や社会に配慮した公益性の高い企業であることを示す国際認証「B Corp(Bコープ)」を、日本のファッションブランドとして初めて取得した。

再生素材をアピールせずにクリエーションで勝負し、収益を上げながらも世の中にとって意味のある服づくりを貫くCFCL。ファッション界の未来を照らす一筋の光のようなブランドの神髄を、CFCL(東京・渋谷)代表兼クリエイティブディレクターの高橋悠介さんに聞いた。

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――CFCLとは「Clothing For Contemporary Life」の略。直訳して「現代生活のための衣服」をブランド名にした意図とは?

高橋さん(以下敬称略) 自分自身の名前をブランド名にすることも1つの選択肢であるなかで、シグネチャーとは対極的な名前にしたいと考えていました。

なぜなら、デザイナーの意思決定によってコレクションが構成されるような、個人の美意識を表すファッションではなく、「時代や社会が求める服」をつくりたいと考えているからです。

そこで、どんなブランドなのかが明確に伝わるよう、私たちが掲げていきたいスローガンそのもの、つまり「Clothing For Contemporary Life(現代生活のための衣服)」の頭文字をブランド名に採用。ファッションには身につける人の気持ちや行動までを変える力があると信じるからこそ、私たちは現代生活のための衣服をつくります。