大阪桐蔭「気になる今年の強さ」ライバル履正社に“衝撃のコールド勝ち”、「190cm怪物」森陽樹の登場…現地記者が聞いた“西谷浩一、取材最後のひと言”

AI要約

大阪桐蔭が圧巻のコールド勝ちで履正社を破り、怪物森陽樹の好投で決勝も制して大阪大会優勝。西谷監督の戦略と選手たちの成長が光った。

両チームの試合巧者ぶりとポテンシャルの差に注目。履正社は走塁で攻め、大阪桐蔭はコールド勝ち連発で相手を圧倒。

バットの改良や戦略の変化も見られ、両チームの闘いが熱い中、大阪大会は盛り上がりを見せた。

大阪桐蔭「気になる今年の強さ」ライバル履正社に“衝撃のコールド勝ち”、「190cm怪物」森陽樹の登場…現地記者が聞いた“西谷浩一、取材最後のひと言”

今年の大阪大会、準決勝はライバル履正社に圧巻のコールド勝ち、決勝は「190cmの怪物」森陽樹の好投で制した大阪桐蔭。大阪大会を現地取材した記者が見た「気になる今年の強さ」。〈全2回の1回目〉

 大阪桐蔭の指揮官、西谷浩一の引き出しには無数の「勝ち方」が収められているのだろう。

 準決勝でライバル履正社を12-2、決勝では東海大大阪仰星を3-1でいなして2年ぶりの大阪大会の頂点に立った。

「昨年の夏は決勝で敗れて、その悔しさを持ってこの大会に入りました。決勝は苦しむだろうと思いましたけど、苦しんで勝てましたので、少しずつ成長していけると思います」

 相手チームを緻密に分析して、自チームの良さを出して勝ち抜く。見事な采配は、さすがは甲子園通算勝利数1位監督である。

 昨年決勝のリベンジを期す履正社との準決勝は、大阪桐蔭のプライドを見た試合だった。

 ポテンシャルの大阪桐蔭か、試合巧者の履正社か――。

 大阪桐蔭は準決勝まで、序盤にリードするも終盤に突き放せない試合が続いていた。5回戦の大商大堺戦、準々決勝の早稲田摂陵戦は大阪桐蔭らしからぬ“逃げ切る”試合といえた。

 一方の履正社は昨年ほど高い能力の選手はいなかったものの、試合運びが巧い。なかでも、今年は走塁に強みを持っていた。準々決勝の大産大付戦では9盗塁をマーク、4、5回戦でもそれぞれ8、5個の盗塁を決めていた。

 履正社の多田晃監督はその戦いぶりをこう話していた。

「昨年のメンバーと比べると長打力は少ないので新チームの時からこういう野球を意識してきました。特にバットが変わってからはホームランが出たりもしないんで、ゴロやライナーを打って繋いでいこうと。足を絡めて投手にプレッシャーをかけてやっていこうと話してきました。準決勝までの5試合はそういった野球はできていたと思います」

 5試合中4試合がコールド勝ち。失点0、失策0の戦いはまさに試合巧者と言えた。大阪桐蔭ほどのポテンシャルはなくても、相手を圧倒できる。低反発バットの影響を受ける今年は、そんな戦い方も一つの戦略と思わせる戦いを見せていたのだ。

 そうした中で両者は激突した。