関東一、必勝の投手リレーで強力打線・二松学舎大附を封じ、決勝進出！【24年夏の東東京大会】
関東一が二松学舎大附を6-1で下し、決勝戦進出を果たした。畠中投手の完璧な投球と、越後、熊谷の活躍が光った。
片井選手の奮闘もむなしく、二松学舎大附は敗れた。坂井投手の好投が決勝進出を導いた。
関東一と帝京の対戦が決定し、東東京の宿命のライバル対決となる。
＜第106回全国高校野球選手権東東京大会：関東一6-1二松学舎大附＞◇27日◇準決勝◇明治神宮野球場
東東京の宿命のライバル対決。両チームともそう簡単に勝てないことは分かっている。関東一は攻守投、全ての面で戦力が充実しているが、特に投手陣は質量ともに盤石だ。
この試合で先発したのは左腕の畠中 鉄心（3年）だ。「フォアボールを出さないから」と関東一の米澤 貴光監督はその理由を語る。「体力、精神力は強くなっています」と言う畠中は、「真っ直ぐでも勝負できるようになりました」と語る。もちろん、チェンジアップなどの変化球には威力があるだけに、ストレートに力強さが増せば、相手打者にはより厄介な存在になる。この試合で畠中は、4回まで1人の走者も出さない完璧な投球で試合を作った。
2回表に1点を先制している関東一は、5回表には四球の走者を2人置いて、5番の越後 駿祐一塁手（2年）の三塁打で2点を追加。越後も6番・熊谷 俊乃介捕手（3年）の右前適時打で、生還する。
その裏二松学舎大附は、4番・片井 海斗一塁手（3年）が、大きな当たりの左前安打を放った後、好走塁もあり、1点を返した。しかし攻撃の中心である片井は、この打席以外は振るわなかった。また片井とともに1年生の時から二松学舎大附を引っ張ってきた五十嵐将斗（3年）は、4回戦以来のスタメンを果たしたものの、5回で交代となっている。「五十嵐はもしかしたら、いい結果が出るのではと思いましたが」と二松学舎大附の市原 勝人監督は言う。高校3年間で好調を維持し続けることは難しい。けれども最後の夏に力を出し切れないのは、残念だった。
関東一は7回表にも2点を追加。8回裏からは畠中に代えて球威のある坂井 遼（3年）を登板させる必勝リレー。8回を無失点に抑えた後、9回裏二松学舎大附の攻撃は4番の片井から始まる。片井は1年生の夏から注目され続けてきた。プロも注目する投手である坂井としても気持ちの入る投球である。6－1と点差はあったが、高校野球は一打でどう変わるか分からない。ストレート勝負にこだわらず、最後はスライダーで三振に仕留めた。片井の顔に無念さが伝わってきた。
関東一が夏の大会で二松学舎大附に勝つのは2011年以来となる。決勝戦は帝京との対戦になった。日大三の小倉 全由前監督が、関東一の監督であった時代から続く、東東京の宿命の対決である。
