大阪桐蔭“じつは激変している”内情…現地記者が驚いた「4番のラマルがまさかベンチに…」大阪桐蔭コーチも証言する「根尾昂の代との共通点」

AI要約

大阪桐蔭が大阪大会で優勝し、日本一を目指す姿勢を示す。

チームは過去の敗北から学び、徹底的なチームワークを重視。

コーチは過去の勝利世代と比較し、機敏な打撃戦略とチームプレーを強調。

大阪桐蔭“じつは激変している”内情…現地記者が驚いた「4番のラマルがまさかベンチに…」大阪桐蔭コーチも証言する「根尾昂の代との共通点」

今年の大阪大会、準決勝はライバル履正社に圧巻のコールド勝ち、決勝は「190cmの怪物」森陽樹の好投で制した大阪桐蔭。大阪大会を現地取材した記者が驚いた「変わった王者の戦い方」。〈全2回の2回目〉

 大阪大会決勝後のインタビューで西谷浩一監督はこう宣言した。

「毎日、“日本一”ということを子どもたちと話しながらやってきています。ただ、最初から日本一を見て、勝てるほど大阪は甘くありません。今日で大阪の代表にならせていただきましたので、本気の本気で日本一を目指して大阪に優勝旗を持って帰りたいと思っています」

 大阪桐蔭は常に日本一が求められるチームである。チームの力量は年度によって変わるが、それでも「1番を目指す」というのが変わらぬ方針だ。

 とはいえ、毎年思うようにいくわけではない。昨年はエース前田悠伍(ソフトバンク)を擁しながら、大阪大会の決勝で履正社に敗れた。チームとして一つになりきれずにライバルに苦杯を喫した。

「履正社との試合でしか去年の負けを取り返せない。去年は粘ることすらできないまま何もできずに敗れて、今年は粘り強さを意識してきた。長打を打つことよりかは低く強い打球を心がける。軽打とは言わないですけど、しっかり鋭いスイングで鋭い打球を飛ばすって意識でやってきた。最後にいい形を出せたと思う」

 下級生時から主軸を担う徳丸快晴は力強く語った。

 それにしても、である。これほど大会中に変わるチームも珍しい。準決勝の履正社戦は、それまでとはまるで異なるチームだった。

「去年の悔しさ、それもあったと思います。今年は個人の結果で一喜一憂してしまうところがありましたけど、チームで勝とうと。それを徹底できたと思います」

 そう語るのは大阪桐蔭のコーチを務める橋本翔太郎だ。試合前のシートノックを担当する橋本は、2004年春の選抜にも出場した西谷監督の門下生の一人だ。選手として、指導者として大阪桐蔭の野球を熟知している。

「やっぱり、勝っている世代って徹底できたチームなんですよね。2018年の根尾昂(中日)の世代もそうですけど、2014年の中村誠(現コーチ)の時も、やることをチームとして徹底できた。履正社との試合は本当に、相手にも学ばせてもらいました。低反発(のバット)でなかなか打てない中で、単打、単打で出塁していこうという姿勢はウチも意識させてもらった」