大阪桐蔭怪物右腕の森陽樹が公式戦初完投勝利、15奪三振圧倒 走り込み中心で強靱な足腰/大阪

AI要約

大阪桐蔭が2年ぶり13度目の甲子園切符を獲得するため、ロースコアゲームを制しました。先発の怪物右腕、森陽樹投手が15奪三振を記録し、圧倒的な投球で優勝に貢献しました。

報徳学園は最速151キロ右腕の今朝丸裕喜投手が公式戦初完封勝利を挙げ、6年ぶりの夏の聖地へ導きました。

大阪桐蔭は18年ぶり6度目の夏の日本一を目指して力強くスタートし、チームとして日本一を目指しています。

大阪桐蔭怪物右腕の森陽樹が公式戦初完投勝利、15奪三振圧倒 走り込み中心で強靱な足腰/大阪

<高校野球大阪大会:大阪桐蔭3-1東海大大阪仰星>◇28日◇決勝◇大阪シティ信用金庫スタジアム

 大阪桐蔭がロースコアゲームを勝ち抜き、2年ぶり13度目の甲子園切符をつかみ取った。大一番の先発に抜てきされた最速151キロの怪物右腕、森陽樹(はるき)投手(2年)が15奪三振と圧倒的な投球をみせ、公式戦初完投勝利で優勝に大きく貢献した。報徳学園(兵庫)は今秋ドラフト1位候補の最速151キロ右腕、今朝丸裕喜投手(3年)は明石商との決勝戦で公式戦初完封勝利を挙げ、チームを6年ぶりの夏の聖地へ導いた。

    ◇   ◇   ◇

 大阪の頂点に立った瞬間、190センチの背番号16のヒーローを中心に歓喜の輪がつくられた。内外野、ベンチからなだれ込むチームメートにもまれながら、森は破顔した。公式戦で初めて9回まで投げきり、138球の熱投。チームを2年ぶりの夏の甲子園へと導いた。ヒーローインタビューで「本当にうれしい気持ちでいっぱいです」と初々しく喜んだ。

 自慢の直球がさえ渡った。初回に2死満塁のピンチを切り抜けると、3回2死から5回にかけて5者連続の空振り三振と圧倒。「回を追うごと上半身と下半身が絡んできた」と尻上がりに球威は増していき、8回2死一、二塁から右翼線への二塁打を浴び1点を失ったが、後続を直球で押し込んで追加点を許さず。最速150キロを計測した直球とカットボール、スプリット、カーブを織り交ぜ、15個もの三振を積み上げた。

 春の鍛錬を経て、強靱(きょうじん)な足腰を作り上げた。今春センバツの2回戦の神村学園戦の先発を託されたが、4回1失点と本領発揮できず。4~6月は走り込み中心の練習に没頭し、グラウンドのポール間を多くて30本も走り込んだ。夕食時は白米を1キロ以上かき込み、春から3キロ増の88キロで夏の大会に臨んだ。今夏は3試合19イニングを投げ防御率は0・95。優勝への立役者となった。

 「16番で悔しい。ピッチングでみせる、そういう気持ちです」。背番号はセンバツの14から16となり、悔しい思いを野球ノートに書き記した。西谷浩一監督(54)は「この大会で背番号を変えろ」と伝えたという。「背番号1をつけたい」。結果で思いを証明した。

 チームとしては18年以来6年ぶり6度目の夏の日本一へのスタートラインに立った。指揮官は「本気の本気で日本一を目指して、大阪に優勝旗を持って帰ってきたい」。力強く王座奪還を誓った。【古財稜明】

 ◆森陽樹(もり・はるき) 2007年(平19)8月1日生まれ、宮崎県延岡市出身。川島小1年時、東海東(とうみひがし)クラブで野球を始め聖心ウルスラ学園聡明中では全日本少年夏季軟式野球大会に出場。大阪桐蔭では1年秋から背番号15でベンチ入り。球種は最速151キロの直球、カーブ、カットボール、スプリット。目標はロッテ佐々木朗希。190センチ、88キロ。右投げ左打ち。

 ◆大阪桐蔭 1983年(昭58)創立の私立校。生徒数は1842人(女子793人)。ラグビー部も全国屈指の強豪。野球部は1988年(昭63)創部で、部員は63人。甲子園出場は春15度で優勝4度。夏は13度目で優勝は5度。主な卒業生は中村剛也(西武)、中田翔(中日)、浅村栄斗(楽天)、藤浪晋太郎(メッツ)、森友哉(オリックス)ら。所在地は大阪府大東市中垣内3丁目1番1号。今田悟校長。

 ○…徳丸快晴外野手(3年)が、大阪大会で驚異の打率5割8分3厘を残して打線をけん引した。5回戦から4試合連続で「4番左翼」で出場。この日も2回先頭で先制の口火となる右翼線二塁打を放ち、4回は中前打、6回は左前打で3安打をマーク。全7試合でヒットを記録し、24打数14安打8打点と躍動した。「やってきたことは間違ってなかった」と胸を張り、「ここで満足せずに、夏の甲子園でもいい結果残して終われたらいいと思います」と力を込めた。