ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した“こじし座”の渦巻銀河「NGC 3430」

AI要約

NGC 3430はこじし座方向に位置する渦巻銀河で、3本の腕には星の材料となるガスや塵が存在し、若い星から放たれた光によって青く彩られている。

2004年にはNGC 3430で超新星「SN 2004ez」が発見され、II型超新星とされる大質量星の爆発現象とみられている。

ハッブル宇宙望遠鏡による観測では、NGC 3430の環境を理解するための研究が進められており、2023年に実施された観測データを基に作成された画像が公開された。

ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した“こじし座”の渦巻銀河「NGC 3430」

こちらは「こじし座(小獅子座)」の方向約1億光年先の渦巻銀河「NGC 3430」です。明るい中心部分から伸びた3本の渦巻腕(渦状腕)には星の材料となるガスや塵が多く存在しており、渦巻腕は若い高温の星々から放たれた光によって青く彩られています。

NGC 3430では大質量星が起こすタイプの「II型超新星」とみられる超新星「SN 2004ez」が2004年10月に見つかりました。II型超新星は進化した大質量星内部の核融合反応によって鉄のコア(中心核)が生成されるようになった頃、核融合のエネルギーで自重を支えることができなくなったコアが崩壊し、その反動によって恒星の外層が吹き飛ぶことで爆発に至る現象だと考えられています。

この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で取得したデータをもとに作成されました。ハッブル宇宙望遠鏡によるNGC 3430の観測は、II型超新星が発生する環境をより深く理解するための研究の一環として2023年10月に実施されています。

冒頭の画像は“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として、欧州宇宙機関(ESA)から2024年7月22日付で公開されています。

Source

ESA/Hubble – An island universe