原発巡る住民の反応、佐賀県玄海町長「おおかたが賛成・理解していると思う」…8か国代表らと会合

AI要約

東アジア各国のエネルギー政策担当者らと日本の原発立地自治体の首長らが意見交換を行う会合が玄海町で開催

参加者からは原発支持の度合いや安全性についての質問があり、各国研究者が実例を紹介

原発からの廃棄物処理についても議論があり、フィンランドの専門家が意見を提供

 原子力発電所の導入を調査・検討している東アジア各国のエネルギー政策担当者らが、日本の原発立地自治体の首長らと意見交換する会合が21日、佐賀県玄海町で行われた。タイやインドネシアなど8か国の代表約20人が、脇山伸太郎町長や岩下孝嗣・町議会原子力対策特別委員長らに原発導入や稼働を巡っての町民の反応などを尋ねた。

 「東アジア・アセアン経済研究センター」(本部・ジャカルタ)が主催。エネルギー政策や気候変動対策を調査研究する「日本エネルギー経済研究所」(東京)が共催し、2018年から行われている。原発立地自治体での開催は19年の新潟県柏崎市、福井県敦賀市以来5年ぶり。

 モンゴルからの参加者は、原発への町民の支持の度合いを尋ねた。脇山町長は「国からの交付金などで住民は恩恵を受けている。スリーマイル島事故や福島での事故などから原発へのマイナスイメージはあるが、電気事業者や町が安全安心につながる取り組みをしており、おおかたの住民が原発に賛成し、理解していると思う」などと答えた。

 参加者からは「平和で豊かな国をつくるために、エネルギー面では原発が有効」「原子力工学を志す人材が減っている。育成が大事な課題」といった意見も出た。フィンランドや英米の原発立地地域での実例を紹介する各国研究者の発表もあった。

 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場を巡り、国による選定の第1段階「文献調査」を玄海町は受け入れた。フィンランドの専門家は同国内で進む最終処分場の建設が進んでいることに言及。処分場選定に当たっては、「コミュニケーションと意思決定の透明性が最も重要。地元には拒否権を付与したことで信頼を得た。信頼関係の構築はもちろんのこと、住民には意見を言う権利があることを認識させるのが大事だ」と助言した。