隠れ家のようなビストロ 新富町「mehishiba」

AI要約

日本各地の農家との交流を深めるシェフが、信頼する農家から届く野菜で毎日日替わりのメニューを提供する“メヒシバ”。料理の根底には素朴で滋味深い在来種野菜があり、そのポテンシャルを最大限に引き出すことにこだわりが感じられる。

シェフは天候や野菜の表情と対話しながら、その日の野菜と綿密に仕込まれたフォンを活かして即興で料理を生み出している。毎日通いたくなるメニュー構成は、研鑽の深さが感じられる。

店名の“メヒシバ”は焼き物作家のアートピースから由来し、シェフの想いが詰まった器選びや内装までこだわりを感じさせる。

隠れ家のようなビストロ 新富町「mehishiba」

「農作物は、作る人の感性や人柄が出るから面白いですね。長崎県雲仙市、田中農園の田中くんが作る在来種は、素朴で滋味深い。千葉県柏市にある吉野ハーブファームさんは力強く華やかで、繊細さもある」と、これまで日本各地のシェフや農園と交流を深めてきた鈴木研シェフ。信頼する農家から毎週届く“おまかせ野菜”の箱を開けるときは、毎回ワクワクしっぱなしだと言う。

故にメニューは日替わり。例えばある日のスープドポワソンは、丸ズッキーニ、ナス、甘長ししとうやにんじんの花など焦げを効かせた夏野菜をメインに、魚介のソースがそれらを引き立てる。また翌日には、サクッと揚げた会津小菊かぼちゃを添えた、たっぷりのスープが主役の一皿に。その日の天候や野菜の表情と対話して、綿密に仕込まれたフォンとともに即興で料理を生み出していく。コース一択ながら、毎日でも通いたくなるメニュー構成は積まれた研鑽の深さゆえ。素材のポテンシャルを存分に引き出す巧みな野菜づかいに魅了されること間違いなし!店名の“メヒシバ”は田畑の畦道などに群生する雑草のことで、敬愛する焼き物作家・渡辺隆之のアートピースにも由来しているそう。器選びや内装に至るまで、シェフの熱い想いがひっそりと、でもたくさん詰まっている。

●[新富町]mehishiba

住所_東京都中央区新富2-4-3 京橋ダイヤモンドマンション1F

Tel_03-4400-4409

営業時間_19:00~23:00

休業日_火

料理は8品のコース ¥12,000。自然派ワインはグラス ¥1,000~。自家製シロップを使ったノンアルドリンクも充実。カウンター7席。

Photo_Kenya Abe Text_Chisa Nishinoiri