「ひとり」では再発する。悪循環を断つ「ギャンブルと向き合う習慣」「ギャンブルから離れる習慣」の身につけ方

AI要約

ギャンブル依存症とは、本人の意志だけではやめられない状態であり、脳の報酬系に異常が起きている病気である。

治療を受ければギャンブル依存症から抜け出せるが、再発を防ぐためには生活面での見直しが必要である。

依存症から抜け出すためには医療機関や自助グループ、法律相談など第三者の協力を得ながら生活を整えることが重要である。

「ひとり」では再発する。悪循環を断つ「ギャンブルと向き合う習慣」「ギャンブルから離れる習慣」の身につけ方

ギャンブルに夢中になる人は大勢います。生活に重大な問題が起きているにもかかわらず、勝利や賞金を深追いし、嘘や借金が常態化してしまっている人もいます。「ギャンブル依存症」です。かつてはそういう人の問題を、本人の意志の弱さから起きることだと考えるのがふつうでした。しかし近年は、病気だと考えることが一般的になっています。脳の報酬系に異常が起きていて、本人の意志の力だけではやめられない状態になっているのです。

こういう場合は、医療機関を受診したほうがよいでしょう。そして、カウンセリングや認知行動療法などの治療を受けるようにしましょう。そうすれば、本人の行動パターンや考え方が変わり、脳も異常な状態から回復していきます。

この連載では、『ギャンブル依存症から抜け出す本』(樋口進監修、講談社刊)から、依存症の特徴から治療法、生活上の注意までを、全8回にわたって解説します。今回は、本人と家族が生活面でできることをまとめました。依存症の悪循環から抜け出すためのヒントを見つけてください。

ギャンブル依存症から抜け出す 第7回

第6回はこちら〈治療薬はまだない!? ギャンブルにのめり込んだ人の脳には、いったい何が? 症状に応じた治療法とは〉

治療が順調に進めば、ギャンブルをやめることができます。しかし、そこで元の生活に戻ると、ふとしたきっかけで本人がギャンブルに手を出し、依存症が再発してしまう場合があります。

ギャンブルをやめた状態をキープするためには、本人と家族が生活を見直し、ギャンブルしにくい環境を整えることが重要です。しかし、生活を見直していくうえでは、借金の問題など、本人と家族だけでは対処しきれないことも出てきます。

問題を自分たちだけで抱えこまなくてすむように、第三者にも相談し、協力してもらいましょう。医療機関や自助グループ、法律相談窓口が頼りになります。専門家などに相談しながら、生活を整えていってください。

●医療機関

治療がすでに完了していても、状態がよくなければ、躊躇せずに受診したほうがよい。再発予防にも

●自助グループ

ギャンブル依存症の本人や家族がつくっている、近隣のグループに参加を。同じ病気に悩む人の生活や気持ちを知る機会ができる

●法律相談

弁護士や司法書士など法律の専門家に相談する。相談先がみつからない場合は、自治体や弁護士会、法テラス(日本司法支援センター)などの法律相談窓口を利用する