摂食障害にアルコール依存症…27歳で死去した伝説の歌手エイミー・ワインハウスの半生が映画化

AI要約

エイミー・ワインハウスの生涯と音楽活動、苦悩を描いた映画『Back to Black』が公開。

世界的なスターとして成功を収めながらもアルコール依存症や離婚で波乱の人生を送ったエイミーの半生。

アーティストとしての功績だけでなく、死因や最後の日々での悲劇に対する称賛と追悼の声。

摂食障害にアルコール依存症…27歳で死去した伝説の歌手エイミー・ワインハウスの半生が映画化

 イギリスのソウル、ジャズ、R&Bシンガーで、2011年に27歳で亡くなったエイミー・ワインハウスの半生を描いた映画『Back to Black』が、邦題『Back to Black エイミーのすべて』として11月22日から公開される。

 エイミーは03年にアルバム『Frank』でデビューしトップスターの一人に。06年には本映画のタイトルでもあるアルバム『Back to Black』で全英1位を記録し、グラミー賞5部門受賞という栄誉に輝いた。特に同作のヒット・シングル『Rehab』は、10代の頃から摂食障害やアルコール依存症を患っていたエイミーが、「リハビリ施設に入るなんて真っ平。no, no, no」と“リハビリ施設への入居を拒否”した自伝的な楽曲。『Rehab』はグラミー賞主要4部門のうち、年間最優秀レコード、年間最優秀楽曲、最優秀新人の3つを含む全5部門を受賞し世界的な話題となった。世界中で3000万枚以上のレコードを売り上げ、現在でも月間8000万回以上のストリーミング再生数を誇る、近年の歴史上最も偉大なアーティストの一人とされている。

 今回の映画では、大スターとして喝采を浴び多くのアーティストに影響を与えながらも、アルコール依存症や離婚問題で世間を騒がせた“稀代の歌姫”の半生を描く。エイミーを演じるのは現在27歳のマリサ・アベラ。英国のドラマ『インダストリー』シリーズでメインキャラクターを務めている他、映画『バービー』では王女バービーを演じ、現在ブレイク中のスター。監督は09年の『ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ』や、15年の『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』で知られるサム・テイラー=ジョンソンが務める。

 エイミーはアルバム『Back to Black』のタイトル曲『Back To Black』で、元恋人・ブレイク・フィールダー・シヴィルの浮気による破局と心の痛みを歌っているが、同アルバムがヒットした直後にブレイクと結婚。しかしその夫と07年に飲酒、薬物のリハビリ施設に入所している。その後も入退院を繰り返し、09年に離婚した。

 11年6月にはセルビアのベオグラードで開催された野外コンサートで開始時間を大幅に遅らせ、泥酔した状態で登場し観客からブーイングを浴びた。そんな中、翌7月23日にロンドンの自宅で遺体が発見され、亡くなってから約2年後の13年に、死因がアルコール中毒だったことが発表された。

 訃報を受け、へアスタイルをマネていたという米歌手レディー・ガガは、「彼女がいてくれたから、私は一人じゃないと思えるようになった」と語り、「彼女はジャズに生き、ブルースに生きた。ポップミュージックの歴史を変えた人物」と称賛している。またエイミーと最後に共演した米歌手でエンターテイナーの故トニー・ベネットも当時、「ヴォーカリストとして素晴らしいセンスを持ったミュージシャンで、類稀な才能がこんなにも早く終わりを迎えて、本当にショックを覚えている」とコメントしている。また英人気歌手のアデルは、エイミーについて「レトロ風の楽曲を歌う女性ボーカルとして先駆者的存在だった」と解説し、「自分の道を切り開いてくれた」と語っている。