不登校、SNSルール、お弁当作り、私立中高一貫校に入ってからの「予想外のこと」

AI要約

ジャーナリストのなかのかおりさんが中学受験について取材した結果、多くの家庭が持ち偏差値より難しい学校を目指して無理をしていることが判明。

取材した家庭では、志望校に合格後に不登校やスマホ依存などの問題に直面するケースも見られる。

Kさん親子の体験では、志望校に通うことで実際に負担が増えることや通学の大変さが明らかになった。

不登校、SNSルール、お弁当作り、私立中高一貫校に入ってからの「予想外のこと」

ジャーナリストのなかのかおりさんは「#中学受験のバトン」という連載のみならず、多くの中学受験の体験を取材をしてきた。そこで気になるのは、持ち偏差値よりかなり難しい学校を目指して無理してしまう家庭が多いことだという。大手塾と個別指導を掛け持ちして疲弊してしまったり、それぞれに相性のいい学校に入学しても、第一志望校でなかったと、挫折感を持ち続ける例にも遭遇したという。志望校に進学後、不登校になったり、スマホ依存になった実例もある。大切なのは親がこどもに向き合い、外からどう見られるかではなく、こどもにとって何が一番大切なのかを見続ける事だろう。

今回なかのさんが取材をしたのは、「娘の持ち偏差値より低い学校も、行きたいところとして受けた」というKさん親子。

前編では、長女の中学受験に伴走し、塾なしで志望校に合格させたKさんの体験を紹介した。「吹奏楽を続ける、塾なしの中学受験」を選択。大手塾をやめ、模試を取捨選択し、行きたい学校のみを受けて合格。そんなKさん親子も、志望校に通ってみて、様々な試行錯誤があった。不登校、通学の負担、SNSルールなど、中学受験後のリアルな生活についてお伝えする。

Kさん親子は、成績のほか、家から学校までの距離やかかる時間を考えて志望校を絞った。でも、通ってみてプラスの負担がかかることを知った。まず驚いたのは、通学リュックの重さが尋常でないことだ。

「単純に自宅から何分って思っていたけれど、通ってみると、それにプラスされる部分が多い。学校の門から教室が遠かったり、朝に読書の時間があって、学校が始まるのは8時20分なんだけれども、実際は8時10分までに教室に入らないといけないとか。

あとは、通学リュックの重さが想像以上でした。だいぶ教科書を学校に置いてきてるんですけど、女子の身だしなみグッズやお弁当、水筒、体操着、折りたたみ傘など必需品を入れると10キロ近くある。電車はいつも座れるとは限りませんし、往復2時間ぐらい持ち歩いているわけです。電車の待ち時間や、遅延しがちな路線もあります。体力のない子、少し遠い志望校を検討している家庭は、こういう負担や時間も、考えた方がいいですね。体調不良時の送り迎えもあり、親も近いほど助かります」