生徒の約4割が「世帯年収1,200万円以上」…私立中学校でやっていける「親の年収」のボーダーライン

AI要約

私立中学と公立中学の家庭の年収について、令和3年度の文部科学省調査結果を引用しつつ比較。

私立中学の学習費用や付随する費用、名前のない出費について詳細に解説。

真田氏の指摘に基づき、私立中学に通う場合は書かれている金額以上の負担があることを把握する必要がある。

生徒の約4割が「世帯年収1,200万円以上」…私立中学校でやっていける「親の年収」のボーダーライン

臨床心理士・真田涼氏は、専門家としての知見と、母としてわが子を中高一貫校から東大へと導いた経験から、中学受験に役立つアドバイスをしています。同氏は「私立中学に通う場合は、学校案内に書かれている金額以上の経済的な負担はあると思っておいた方が良い」といいます。では、どのくらいの世帯年収があれば私立中学校でやっていけるのでしょうか? 真田氏の著書『中学受験 合格メンタルの作り方』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、見ていきましょう。

令和3年度の文部科学省の「令和3年度子供の学習費調査」(https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/1268091.htm)によりますと、私立中学の場合、世帯年収が600万円未満の家庭は約1割で、世帯年収1,200万円以上の割合は約4割と最も多くを占めています。

一方、公立中学校の場合は、世帯年収が600万円未満の家庭は約3割で、世帯年収1,200万円以上の割合は約1割となっています。また、学習費用(学校教育費、学校給食費、学校外活動費)については、私立中学校の年間の学習費用の平均は143万6,353円で、公立中学校の53万8,799円の約2.7倍です。

私立中学校では寄附金を求められるところもありますし、電車通学する場合には、上記の学習費用のほかに定期代がかかります。また部活動によっては、部費やユニフォーム代、道具代、合宿代などがかかりますし、部活動を学校以外の場所で行ったり、試合に行ったりする際には、別途交通費がかかります。留学制度についても、学校によって費用負担はさまざまで、個人負担がほとんどないものから、全額を個人負担するものまでかなり幅があります。さらに文化祭や体育祭などの行事の際には、クラスや部活動、有志などで追加の費用が発生する場合もあります。

女子の中にはみんなが持っているからと高価なものを欲しがるお子さんもいますし、交友関係によっては、年間に何度もお友達とテーマパークに行ったり、長期休みにお友達と旅行に行ったり、お友達の誕生日に高価なものをプレゼントしたりするということもあるようです。

このように、年間授業料や施設費など、学校案内に書かれている費用以外の「名前のない出費」というものがあります。私立中学に通う場合は、書かれている金額以上の経済的な負担はあると思っておいた方が良いと思います。