石川・能登町長が復興支援に「感謝の念」 和歌山県庁訪問で

AI要約

1月の能登半島地震で和歌山県が支援した石川県能登町の大森凡世町長が和歌山県庁を訪れ、感謝の意を述べる。

能登半島地震で和歌山県が関西広域連合のカウンターパート方式で支援活動を行い、被災地支援や復旧状況といった内容を伝え合った。

大森町長は被害状況や復興への課題を報告し、岸本知事との意見交換を通じて、今後の教訓と防災対策について話し合った。

今年1月の能登半島地震で、和歌山県が支援した石川県能登町の大森凡世(かずよ)町長らが21日、和歌山県庁を訪れた。大森町長は「感謝の念しかない」と岸本周平知事らに謝意を伝え、岸本知事は「これからの復興が大変。お手伝いできれば」と応じた。能登町の被害や復旧状況なども伝えられ、災害時の備えについて意見を交換した。

能登半島地震では、県は関西広域連合が決めたカウンターパート方式で同町を支援。1月5日~5月31日に職員ら延べ2560人を被災地に派遣し、情報連絡や避難所運営、罹災(りさい)証明書発行事務などを支援した。

大森町長は「道路事情が悪く、水も電気もない環境でご支援をいただき、ありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。岸本知事は今月8日の南海トラフ地震臨時情報を踏まえ「明日はわが身でひとごととは思えない。職員も勉強になりました」と話した。

大森町長らは、死者25人のうち災害関連死が23人に上ったことや、全壊1339棟を含む1万2617棟が被害を受けたことを報告。公費による家屋などの解体が8・2%しか進んでいないことや復興に向けて全世帯アンケートを行ったことも伝え、「地域の人の前向きの気持ち、元気を取り戻したい」と述べた。

大森町長は「(能登と和歌山は)半島で似ている。平場が少なく仮設住宅を建てる場所もない。集落に行く道がそこしかないのに山崩れが起こっていた」などと半島の防災上の課題を指摘。岸本知事は「今後もお手伝いするとともにいろいろ教えていただきたい」と応じていた。その後、取材に応じた大森町長は「住民一人一人が常に備えることが求められている」と、警鐘を鳴らしていた。