南三陸町の旧防災対策庁舎が町有化…震災遺構として保存、津波の恐ろしさの伝承活動に利用

AI要約

宮城県南三陸町の旧防災対策庁舎が町有化され、震災遺構として保存されることが決定された。

町職員ら43人が津波で犠牲になった庁舎は、県から無償で譲り受けられることになった。

庁舎は、被災者の遺族や町民の思いを伝える場所として重要な存在とされ、伝承活動に活用される予定だ。

 東日本大震災の津波で町職員ら43人が犠牲になった宮城県南三陸町の旧防災対策庁舎が1日、町有化された。庁舎の保存か解体かで遺族や町民の意見が割れていたが、町は震災遺構として保存し、伝承活動に利用することとした。

 庁舎は、県が2015年から暫定的に所有・管理してきた。町は津波の恐ろしさを伝える残すべき施設だとして保存を決め、県から無償で譲り受けた。

 この日は、佐藤仁町長らが庁舎を訪れて献花。同県気仙沼市の村上勝正さん(75)は、庁舎にいて行方不明となった長男の宏規さん(当時33歳)に思いを寄せ、「息子に会えると思える唯一の場所。残って良かった」と話した。