馬場氏と吉村氏が語気強め言い合う場面も 説明会の「非公開」動画データから読み取る維新リーダー2人の「ホンマの関係」 吉村氏はきょう「溝が生じているとかいうのはない」と改めて強調

AI要約

日本維新の会の馬場伸幸代表と吉村洋文共同代表の政治資金問題に関する激しいやり取りが行われる中、維新の政治資金活動についての議論が熱くなっている。

維新は自民党と協議して政策活動費の公開期限を10年後に設定し、衆院では賛成していたが、参院では反対に回る事態となった。

吉村共同代表は政策活動費の完全廃止を提案し、各種支出がブラックボックス化されていることに対して議論が展開されている。

馬場氏と吉村氏が語気強め言い合う場面も 説明会の「非公開」動画データから読み取る維新リーダー2人の「ホンマの関係」 吉村氏はきょう「溝が生じているとかいうのはない」と改めて強調

「後ろからバンバンバンバン仲間を撃つことをすれば、すぐに日本維新の会という政党はつぶれていく」

6月26日、日本維新の会・馬場伸幸代表のこの発言から始まった「説明会」。国会での対応をめぐって、説明を求める地方議員らの声が高まる中、吉村洋文共同代表が「フルオープンでの総括」を求めて、開催が決まったものだ。

実際にはフルオープンとはならず、報道陣は馬場代表の冒頭あいさつが済むと退出となった。

関西テレビは、「非公開部分」のほぼ全てを収録した動画データを新たに独自入手。

そこには、維新の2トップである、馬場代表と吉村共同代表による激しいやり取りが残されていた。

【吉村共同代表】「大ゲンカの中身って何なんだろうということも、しっかりと詰めていけたらと思うんです。誰がどうだましたのかということと、大ゲンカの中身というのはどこら辺まで考えているか。考えがあれば、あればでいいんですけど、教えてもらいたいなと思います」

【馬場代表】「子供のケンカじゃないので、どつき合いするわけでもないですし、立憲民主党のような、全て妨害工作に入るというわけでもありません」

政治とカネの問題をめぐる政治資金規正法の改正で、維新は自民党と協議し、政策活動費の領収書を10年後に公開するなど、法案を修正させた上で、衆院では賛成していた。

しかし維新が「賛成の前提条件」と捉えていた、国会会期末までの旧文通費(調査研究広報滞在費)の改革がとんざしたため、参院では一転して反対に回った。

維新執行部は「ウソつき内閣」「自民党と大ゲンカ」と攻撃したが…果たして「大ゲンカ」とは何を指すのか。

馬場代表が続ける。

【馬場代表】「万博、その後のIR、過去にはG20会議、そういったことについては、やはり政府側と協力し合いながら進めてきた経緯もあります。ですから、全てちゃぶ台を返して『もう二度とお前らと口きくか』というケンカではありません。一言で言うと選挙です。選挙で自民党に勝つということをやって、我々の議席数を無視できないぐらいまで増やす」

馬場代表は、「この先、どこが与党になるか分からない」と前置きした上で、与党をねじ伏せ、悲願の政策を実現させることが、「ケンカに勝つ」ことだという。

一方の吉村共同代表も食い下がる。

その様子をリモートで見ていた維新関係者は、「吉村さんは相当怒っていた。プルプルと震えていた」と振り返る。筆者も、興奮状態でいつもより早口になっている印象を受けた。

【吉村共同代表】「僕の考え方なんですけど、もう政策活動費について、完全廃止にすべきじゃないかと僕は思っているんです。これは皆さんと考えがちょっと違うかもしれないけれど、政策活動費そのものがブラックボックスになっていて、本当に維新にとって必要なのかと。維新は政策活動費をゼロにして完全撤退するんだという中で、自民党とぶつかっていくというのが、僕はやるべき方向性、ケンカのやり方じゃないかな、というふうに思っています」

維新の藤田文武幹事長は、政策活動費について会食のほか、講師への謝礼、選挙などのデータ分析の支出があるとしてきた。

支出先は「維新に協力している」ことを公にしたくないケースが多く、「政党の機密性を守るため、政策活動費は必要だ」という説明だ。機密性と公開性のバランスを考えて「10年後に領収書を公開する」という主張で、それを盛り込んだ法案が可決・成立している。

しかし、場の空気は圧倒的に「政策活動費は廃止」だったのだろう。藤田幹事長はこの場で、「廃止を前向きに検討する」ことを約束した。