「普通に外を歩くのも怖い」…個人情報を晒されたニコ生配信者を取材 個人にできる対策は?

AI要約

ニコニコ動画の生主がサイバー攻撃の影響で苦しむ現状と個人情報流出の危険にさらされる

サイバー攻撃によるニコ生利用者の収益減少や居場所の喪失に加え、個人情報流出で更なる不安が募る

情報を勝手に拡散しないよう訴える生主が、プライバシー保護の重要性を強調

「普通に外を歩くのも怖い」…個人情報を晒されたニコ生配信者を取材 個人にできる対策は?

「使えなくなった時は『すぐ戻るだろう』と、こんなことになると思わなかった」

 ドワンゴが運営する「ニコニコ動画」で生放送を行う“生主”として活動してきたAさん。ドワンゴを含むKADOKAWAグループへのサイバー攻撃の影響で、現在は別の配信サイトを利用している。

 「ニコ生はアットホームというか、周りの配信者との関わりが深いので、その関わりがなくなったり、来場者数が減っているので『みんなどこ行っちゃったのかな』と思うことがある」(Aさん、以下同)

 視聴者と共に作り上げた居場所がなくなってしまった悲しみ。さらに、閲覧数や視聴者の支援によって得られる収益も受け取れない状況が続いている。

 「ニコ生だけで生活している人が多い。私とかは昼間に本業をやっているが、そうでない方は結構きついと思う」

 今回の騒動で、視聴者数や収益の減少といった影響を受けたAさん。しかし2日、それどころではない事実が明らかになる。

 「今朝、LINEが鳴ってて、何だろうと思ったら『晒されてるよ』って言われて、ニコニコの公式番組に出演させていただいた時の契約書が開示されていた」

 7月2日の早朝、自身の個人情報がSNSに流出していることが発覚。その契約書には、活動名と共に本名も記載されており、本人を特定できる情報が拡散されてしまったという。

 Aさんの個人情報が流出したこの日、KADOKAWAが声明を発表した。

 「7月2日、当該組織が当社グループの保有する情報をさらに流出させたと主張していることを、確認いたしました。(中略)上記のデータの拡散は個人情報を侵害し深刻な影響を及ぼす可能性があるため、SNS等による共有はお控えくださいますよう、皆様のご理解とご協力を心よりお願い申し上げます」(一部抜粋)

 さらにきょう(3日)午前、KADOKAWAは、運営する学校の在校生・卒業生の個人情報や取引する一部のクリエーターとの契約書などが外部漏洩した可能性が高いと認識したことを公表。

 Aさんは、更なる情報流出が起こるかもしれないと不安を口にする。

 「提出した情報に住所・生年月日・口座番号なども書いていたので怖い。もしかしたら第2波で公開されるのではないかという懸念がある」

 ネット上で自由に発信・交流ができることが魅力だった場所にもかかわらず、サイバー攻撃による情報流出で知られたくない情報を知られてしまう事態に。Aさんは、面白半分で情報を拡散するのは絶対にやめてほしいと強く訴える。

 「人気じゃなくても人気の人でも、普通に外を歩くのも怖い。リスナーさんには拡散をやめてほしい。本当に見ていて私自身も苦しいので」