高齢者世帯の59.0%「生活が苦しい」…厚生年金と国民年金は平均でいくらなのか

AI要約

厚生労働省の調査によると、高齢者世帯の生活が苦しいと感じる割合が前年比で10%以上増加していることが明らかになりました。

厚生年金と国民年金の平均受給額はともに安定しており、物価上昇により生活費が圧迫される可能性が指摘されています。

次の章では、高齢者世帯の生活費に焦点を当ててさらに詳細な調査結果を探っていきます。

高齢者世帯の59.0%「生活が苦しい」…厚生年金と国民年金は平均でいくらなのか

厚生労働省の調査によると、高齢者世帯で「生活が苦しい」と答えた方は全体の59%に及びました。

前年は48%だったため、10%以上も増加した計算です。

今回は調査結果や厚生年金・国民年金の平均額などをまとめました。

老後に向けた生活設計を考えるうえでの参考にしてください。

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厚生労働省の令和5年時点の生活意識の調査によると、高齢者世帯の59%が生活が「大変苦しい」もしくは「やや苦しい」と答えています。

●全世帯の結果

 ・大変苦しい:26.5%(前回20.2%)

 ・やや苦しい:33.1%(前回31.0%)

 ・普通:35.8%(前回42.1%)

 ・ややゆとりがある:3.9%(前回5.5%)

 ・大変ゆとりがある:0.7%(前回1.1%)

●うち児童のいる世帯の結果

 ・大変苦しい:28.5%(前回22.9%)

 ・やや苦しい:36.5%(前回31.7%)

 ・普通:31.5%(前回39.0%)

 ・ややゆとりがある:3.1%(前回5.4%)

 ・大変ゆとりがある:0.4%(前回0.9%)

●高齢者世帯の結果

 ・大変苦しい:26.4%(前回18.1%)

 ・やや苦しい:32.6%(前回30.2%)

 ・普通:36.7%(前回45.1%)

 ・ややゆとりがある:3.9%(前回2.5%)

 ・大変ゆとりがある:0.4%(前回0.8%)

2022年時点での調査では「大変苦しい」「やや苦しい」の合計は48%で、この1年で10%以上増加した結果となっています。

本調査資料では「苦しい」と感じる理由に関する記載はありませんが、物価の高騰などが老後世帯の生活を圧迫している可能性が考えられます。

次の章では、年金の平均受給額についてみていきましょう。

厚生労働省が公表する令和4年度「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均受給額は月14万5000円ほどです。

過去からの推移を見ても14万円台で推移しています。

●厚生年金の平均月額

受給額がほとんど横ばいということは、物価上昇が続いている昨今においては家計の維持が難しくなった世帯が増えている可能性もあります。

2023年は消費者物価指数でみると前年比で3.2%上昇しています。

令和5年の統計値は未公表ですが、年金の受給額が一定程度増えないと、出費だけが多くなって生活が苦しくなる計算です。

●国民年金の平均月額

続いて、国民年金の平均受給額は次のとおりです。

 ・注1.新法基礎年金について老齢基礎年金の受給資格期間を原則として 25 年以上有するものは「老齢年金・25 年以上」に、それ以外のものは「通算老齢年金・25 年未満」に計上している。

 ・注2.( )内は、基礎のみ・旧国年の受給者について再掲したものである。ここで「基礎のみ」とは、同一の年金種別の厚生年金保険(第1号)(旧共済組合を除く)の受給権を有しない基礎年金受給者をいう。

 ・注3.[ ]内は、基礎のみ共済なし・旧国年の受給者について再掲したものである。ここで「基礎のみ共済なし」とは「基礎のみ」の受給者のうち、共済組合等の組合員等たる厚生年金保険の被保険者期間(平成 27 年9月以前の共済組合等の組合員等の期間を含む)を有しない受給者をいう。

こちらは表がやや複雑ですが、老齢年金・25年以上でカッコがない数字が基本的な平均受給額です。

近年は5万6000円台で推移しています。

こちらも令和5年のデータは未公表ですが、一定程度金額が増加していなければ、確かに生活が苦しくなる恐れがあります。

収入の柱ともいえる年金事情をみてきました。次の章では、主に年金収入で暮らす高齢者世帯の生活費を深堀りしていきます。