年の差夫婦がもらえる「加給年金」って廃止されたんですか? 年金の「扶養手当」と聞いていたのですが、年間でいくら支給されるものでしょうか?

AI要約

加給年金とは、配偶者や子どもを扶養するために支給される制度であり、2022年に支給停止規定が見直されました。

加給年金は厚生年金受給開始時に条件を満たす家族がいる場合に一定の金額が支給されますが、特別支給の老齢厚生年金の受給年齢から支給されなくなる可能性があります。

加給年金は廃止されていないが、注意点が増えたことから誤解されるケースがあるため、詳細な制度や支給条件を把握することが重要です。

年の差夫婦がもらえる「加給年金」って廃止されたんですか? 年金の「扶養手当」と聞いていたのですが、年間でいくら支給されるものでしょうか?

「加給年金」という制度をご存じでしょうか?

イメージとしては、夫が65歳になり厚生年金受給開始タイミングになった時に、妻が65歳未満であった場合、妻が65歳になるまで一定の金額が上乗せされる仕組みです(条件を満たせば夫婦が逆でも適用されます)。

最近、「加給年金は廃止されたのか」という質問をよく見かけます。結論から言えば、加給年金は廃止されていません。しかし、2022年4月から加給年金の支給停止規定が見直されました。その結果、加給年金自体が廃止されたと勘違いしている人がいるようです。

加給年金にはほかにも注意する点があるので、本記事で簡単に解説していきます。

まず、加給年金について簡単に説明します。加給年金は、年金の扶養手当のようなものです。65歳を迎え、年金受給を開始する時に妻や子どもを扶養している場合、経済的な負担が大きくなるため、その負担を軽減する役割があります。

金額は条件によって若干変わりますが、図表1のとおり、配偶者の場合は年間およそ40万円(特別加算額を含む)、子どもは2人目までは年間約23万円、3人目からは年間約8万円が支給されます。

図表1

日本年金機構 加給年金額と振替加算

受給条件は、厚生年金被保険者期間が20年以上ある人が65歳になった時に、生計を共にしている配偶者(65歳未満)や子ども(18歳到達年度の末日までの間の子、または1級・2級の障害状態にある20歳未満の子)がいることです。そのため、配偶者や子どもが一定の年齢を超えると、加給年金は停止されます。

2022年4月から加給年金の支給停止規定が見直されました。日本年金機構が発表している内容が図表2です。

この内容は分かりにくいかもしれませんが、簡単に説明すると、配偶者が20年以上厚生年金の被保険者期間がある場合、特別支給の老齢厚生年金の受給開始年齢から加給年金は支給されなくなるということです。ただし、2022年4月時点ですでに加給年金を受給している場合は影響ありません。

図表2