沖田への思いと駆けるディノ【後編】ライバルの意思を引き継ぎ、主人公の愛車となったディノ

AI要約

「サーキットの狼」沖田が愛車のディノ246GTを主人公・風吹裕矢に引き継ぎ、極道連との駆け引きを通じて認められるストーリー。

ディノ246GTはV6エンジンを横置きにし、コンパクトで普段使いしやすい設計として人気を博した。

初代ディノの次に登場した246GTは、2.4リットルエンジンで日本国内でも人気を博し、後にスモールフェラーリとして進化した。

沖田への思いと駆けるディノ【後編】ライバルの意思を引き継ぎ、主人公の愛車となったディノ

【サーキットの狼世代へ スーパーカーの饗宴|ディノ246GT【後編】】

「サーキットの狼」沖田の愛車だったディノ246GT。

沖田の死後、主人公・風吹裕矢に引き継がれる。

風吹が極道連にからまれた時には、ディノを操って、圧倒的なスピードで振り切る。その走りを見た極道連総長は、風吹を認めるようになり、以降、レースなどの活躍を応援するようになった。

その後、ディノは改造されてヤタベRS(当初はディノRS)となり、本格的にレースに参戦することになるが、沖田の思いを引き継いでいたのは、主人公の風吹だけでなく、多くの読者も同じこと。

レース展開の一喜一憂に心をおどらせ、クルマという対象物がものでなくなってくる感覚。多くの少年の心に、クルマへの敬愛がうまれていた瞬間だ。

ディノは比較的コンパクトな印象を受ける。エンジンはV6の2418cc。エンジンを横置きにして、室内、トランクルームのスペースを確保。オンロードを想定した設計で、普段使いしやすい仕様となっていた。

それまでのV12エンジンのシリーズとは別のラインナップとして、ディノの名が掲げられている。それまではフロントエンジン、リア駆動がメインストリームだったフェラーリにおいて、本格的な量産モデルとしてのミッドシップエンジンモデルの地位を築く、スタート地点にあったのが、このディノであったのだ。後に308、328と進化していき、スモールフェラーリとして人気が出たモデルでもある。

この246GTは初代ディノの206GTの次に出たモデル。当時のライバル車両に対抗するためもあって、エンジンを2.4リットルにパワーアップしている。同時に日本国内への輸入が開始されており、ディノといえばこの246を思い描く人も多いことだろう。

ディノ246GT

全長×車幅×全高:4240×1652×1135mm

ホイールベース:2340mm

トレッド 前/後:1425mm/1430mm

車両重量:1080kg

エンジン:65度V型6気筒DOHC 横置きミッドシップ

総排気量:2418㏄

最高出力:195ps/7600rpm

最大トルク:23.0kgm/5500rpm

生産年:1971~1974年

生産台数:3761台(内GTB2487台)

生産国:イタリア

※スペックは池沢早人師ミュージアムに準じる。

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年 12月号 Vol.196

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)