トランプ氏に近くゴーサイン、自身のメディア企業の持ち分売却可能に

AI要約

トランプ前大統領が所有するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループの株式の換金可能性について、様々な観点が示唆されている。

持ち分売却には様々な影響があり、トランプ氏の長期的な目標と個人的な利益のバランスが問われている。

株価の変動やトランプ氏が保有株を売却した場合の影響など、複雑な状況が予想される。

(ブルームバーグ): トランプ前米大統領はあと約1カ月で、自身のソーシャル・メディアで得た含み益を換金することが可能になる。問題はトランプ氏が実行するかどうかだ。

トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」を運営するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループの約60%を所有。内部関係者の株式売却を禁止するロックアップ期間が解除される9月20日にも26億ドル(約3800億円)相当の持ち分の換金を開始できる見込みだ。同社の株価は特別買収目的会社(SPAC)との合併を通じて上場した3月以降、乱高下が続いている。

トランプ氏はこれまでトランプ・メディアの株式を売却する意向は示していない。売却に踏み切れば、トランプ氏が個人的な利益を優先しているとの印象を与えかねない。これは評論家がトランプ氏によく向ける批判だ。またトランプ氏の返り咲きをにらみ、トランプ・メディアに資金を注ぎ込んできた忠実な支持者らを疎外することにもなる。

だが、トランプ氏は巨額の訴訟費用に直面しており、持ち分を売却すれば資金を法的費用に充てることができる。

ニューヨーク大学ロースクールでSPACを研究するマイケル・オルロッジ准教授は「これは複雑だ」と指摘。米大統領選での返り咲きといった長期的な目標と潜在的な利益の間で、トランプ氏はバランスを取る必要があると述べた。

トランプ・メディアの担当者はコメントの要請に応じていない。担当者はこれまで、持ち分現金化に関する報道は「トランプ氏がそうすると思われる兆候がどこにもない」中で「全く根拠のない」、党派的なものだと述べていた。

トランプ・メディア株価は3月25日にSPACとの合併が完了して以降、大きく変動。19日には22.24ドルと最安値を更新し、時価総額は43億ドルとなった。

オルロッジ氏によると、トランプ氏が保有株を大量に売却すれば「会社に対する自信の欠如を示すシグナルと受け止められる」可能性がある。「それだけで悪い印象を与え、かつ株価の下落はトランプ氏にもマイナスの影響が及びかねない」という。