沖田への思いと駆けるディノ【前編】実業家谷田部が与えしマシン

AI要約

ディノ246GTは、フェラーリが生み出したミッドシップ2シーターの市販モデルであり、警察官からレーサーへと転身する沖田の愛車としても登場する。

公道レースからサーキットレースへと展開するストーリーで、1971年から1974年まで生産され、熱狂的なクルマ好きの心を掴んでいた。

エンジン性能やスペックにも注目が集まり、全長×車幅×全高や最高出力、最大トルクなどの詳細がファンに愛されている。

沖田への思いと駆けるディノ【前編】実業家谷田部が与えしマシン

スーパーカーの一つの特徴として、ミッドシップの2シータースポーツであることが条件とされる場合がある。

そのミッドシップ2シーターの市販モデルとして、フェラーリが最初に生み出したのが1965年登場のディノ206だ。

2リッターのV型6気筒DOHCエンジンを搭載した206に続き、2.4リットルにエンジンを拡大して1969年に発売されたのがディノ246GTである。

【サーキットの狼世代へ スーパーカーの饗宴|ディノ246GT【前編】】

「サーキットの狼」のストーリーには当初から登場していた警察官で、暴走族の取り締まりを担当していた沖田が、のちにステアリングを握ることになったディノ246GT。

F1ドライバーを養成したいという実業家谷田部が沖田に提供したクルマだ。沖田はこれをきっかけに警察官を辞め、レースに打ち込むことになった。

しかし、沖田とディノのペアは長く続かなかった。公道レースに参加した沖田は2位でゴールするも、持病の結核を患い、車内で息を引き取るという急展開。警察官を辞めて、これからという時に……。多くの読者からの嘆きが聞こえてきそうだった。

その後、クルマは引き継がれ、風吹が乗ることに。このあたりからストーリーは公道レースからサーキットレースに移行していく。現実の世界でも人気だった、71年スタートの富士グランチャンピオンレースを風吹が観戦しに行くなど、現実と漫画のリンクもあり、クルマ好きの心をつかんでいった。

ディノ246GT

全長×車幅×全高:4240×1652×1135mm

ホイールベース:2340mm

トレッド 前/後:1425mm/1430mm

車両重量:1080kg

エンジン:65度V型6気筒DOHC 横置きミッドシップ

総排気量:2418㏄

最高出力:195ps/7600rpm

最大トルク:23.0kgm/5500rpm

生産年:1971~1974年

生産台数:3761台(内GTB2487台)

生産国:イタリア

※スペックは池沢早人師ミュージアムに準じる。

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年 12月号 Vol.196

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)