「経済的な心配がない」65歳以上の68.5%が該当。65歳無職夫婦の貯蓄額は十分あるものなのか

AI要約

公的年金の財政検証が実施され、納付期間の延長は除かれる見通し。65歳以上の年金受給者の68.5%が経済的に安心している。65歳以上の夫婦の貯蓄額や金融資産の保有割合を解説。

全体の約6割の貯蓄額が預貯金で構成されており、金融資産を保有していない60歳代も20%程度存在。

65歳以上の就業率が徐々に増加しており、資産のある世帯とない世帯の経済的差が広がっている。老後に対する不安や働く高齢者の増加を指摘。

「経済的な心配がない」65歳以上の68.5%が該当。65歳無職夫婦の貯蓄額は十分あるものなのか

公的年金の財政検証が実施され、7月3日にその結果が発表されました。国民年金保険料の納付期間を延長した場合や、在職老齢年金の制度を廃止した場合の影響に注目が集まっていましたが、納付期間の延長は除かれる見通しです。

不安のある老後生活ですが、今の65歳以上の年金受給者は、将来の生活に向けていくら貯蓄しているのでしょうか。最新資料では、経済的な暮らしに心配がないと感じている65歳以上の割合は68.5%にのぼります。

今回は、65歳以上の夫婦で貯蓄がいくらあるのか解説します。

記事の後半では、老後生活を安心しておくるためのポイントを解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

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2024年5月17日に総務省統計局が公表した「家計調査(貯蓄・負債編)」によると、65歳以上で無職世帯の貯蓄額は、2656万円でした。

貯蓄の内訳としては、以下のとおりです。

●65歳以上の夫婦の貯蓄額や内訳

 ・通貨性預貯金:794万円

 ・定期性預貯金:892万円

 ・生命保険など:411万円

 ・有価証券:546万円

 ・金融機関外貯蓄:13万円

 ・年金型貯蓄:67万円

 ・外貨預金・外債:42万円

預貯金の合計は1686万円で、全体の約6割となりました。

●60歳代における金融資産の保有割合

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、60歳代における金融資産の保有割合は以下のとおりです。

 ・金融資産非保有:21.0%

 ・100万円未満:5.9%

 ・100万円以上200万円未満:4.5%

 ・200万円以上300万円未満:4.3%

 ・300万円以上400万円未満:3.0%

 ・400万円以上500万円未満:1.9%

 ・500万円以上700万円未満:7.2%

 ・700万円以上1000万円未満:6.7%

 ・1000万円以上1500万円未満:6.8%

 ・1500万円以上2000万円未満:5.4%

 ・2000万円以上3000万円未満:9.5%

 ・3000万円以上:20.5%

2000万円以上の資産を保有している60歳代が3割いる一方で、金融資産を保有していない60歳代がおよそ2割いました。

そのため、同じ60歳代でも資産のある世帯とない世帯に分かれているといえるでしょう。

貯蓄や資産のない世帯は、生活のために働く必要があります。

●65歳以上の就業率

内閣府が調査した「令和6年版高齢社会白書」によると、65歳から69歳の就業率は徐々に増加する結果となりました。

2013年の就業率は38.7%でしたが、2023年の就業率は52%となっています。

以上から、同じ65歳以上でも、資産のある世帯とない世帯の差が広がっている結果となりました。

資産のない世帯は年金だけで生活できないため、生活費を稼ぐ目的で働く人が増加しているといえるでしょう。

では、実際に高齢者が老後に対してどのような不安を抱いているのか、解説します。