円相場が米CPI発表後に急騰、介入の有無には言及せずと神田財務官

AI要約

米消費者物価指数が市場予想を下回り、円相場が急騰した。日本当局が円買い介入を行ったとの報道もあった。

神田財務官は介入の有無についてコメントを避け、適切な対応を取ると述べた。財務省は月末に介入の状況を公表する。

円相場の急騰は大きな動きとなり、年初来最大の上昇幅となった。米財務省はコメントを差し控えている。

円相場が米CPI発表後に急騰、介入の有無には言及せずと神田財務官

(ブルームバーグ): 円相場は11日のニューヨーク外国為替市場で急騰。米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことで米利下げ観測が強まり、対ドルで2%余り上昇した。日本の通貨当局が円買い介入を実施したとの報道もあった。

米CPI発表の数分後、円は一時4円余り上昇し、1ドル=157円44銭を付けた。過去の日銀介入を思い起こさせるような取引高の急増も見られた。

毎日新聞のオンライン版は、政府・日銀が円買い・ドル売りの為替介入を11日に実施したと政府関係者が明らかにしたと報じた。テレビ朝日も政府・日銀が為替市場に介入したと伝えた。

神田真人財務官は11日夜、円相場が対ドルで急伸したことを受け、為替介入の有無について「これまで通り何もコメントする立場ではない」と述べ、「いつも平時においても、有事においても為替介入やったかどうかっていうのは基本的には申し上げない」と説明した。財務省内で記者団に語った。月次ベースの介入の有無は、総額の形で月末に公表される。

為替介入、「コメントする立場でない」と神田財務官-一時157円台

神田氏は12日朝、為替介入があったかはコメントしないとした上で、過度の変動や無秩序な動きには適切に対応すると述べた。省内で記者団に語った。

過度の変動や無秩序な動きに適切対応、介入の有無言及せず-神田財務官

三菱UFJ信託銀行ニューヨークのセールスおよびトレーディング部門責任者、小野寺孝文氏は、「円が大きな動いた。弱めの米CPI発表後というタイミングからすると、介入だったように見える」と指摘した。

米財務省のメガン・アッパー報道官はコメントを控えた。

円相場はこの 1 年間で大幅に下落し、G10通貨の中で最悪のパフォーマンスとなっている。先週は1986年以来の安値を記録し、日本当局は通貨安を食い止めるために必要な措置を講じる用意があるとのけん制発言を繰り返した。

11日の米国時間での円相場急騰は、今年の前回介入時と類似点がある。財務省は4月29日と5月1日に実施したと推定される円買い介入に約9兆8000億円を費やしたとみられている。11日の円上昇は1日の動きとしては5月1日以来の大きさ。