パウエル議長、インフレ鈍化の一層の確認必要と説明へ-今週議会証言

AI要約

米FRBパウエル議長が金融政策に関する半期に一度の証言へ

経済成長と雇用の減速が懸念される中、利下げについて慎重な姿勢を示す見通し

6月の消費者物価指数発表後、利下げに対する見通しや金融政策への期待が集まる

コアCPIは昨年8月以来の最小上昇率、インフレの鈍化が金融当局にとって好ましいペース

総合CPIは小幅な伸びが見込まれるも、前年比では過去5カ月で最も低い伸び

弱めのインフレデータが続く中、9月のFOMC会合までに利下げ開始に向けた確信が得られる可能性

パウエル議長、インフレ鈍化の一層の確認必要と説明へ-今週議会証言

(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は今週、上下両院の委員会が開催する公聴会で金融政策に関する半期に一度の証言を行う。経済成長と雇用が減速している兆候は見られるものの、議長は公聴会で、金融当局が利下げへの態勢に入るにはインフレが鈍化していることをさらに確認する必要があると説明する公算が大きい。

利下げに向けた新たな一歩になると予想されるのが6月の消費者物価指数(CPI)だが、同統計が発表されるのは11日で、パウエル議長が議会証言を終えた後となる。パウエル氏は9日に上院銀行委員会で、10日に下院金融委員会でそれぞれ証言する。

失業率が2021年遅く以来の水準に上昇し、その他のデータでも経済成長の減速が示されている。そうした状況を受け、議員らは金融当局が利下げにちゅうちょしている理由をパウエル氏に問いただす可能性が高い。

パウエル議長は2日、最新の経済データはインフレが再び鈍化傾向をたどっていることを示唆していると指摘。ただ、当局者らは利下げに動く前にさらに多くのデータを目にしたい考えだと付け加えた。

パウエル議長、最新データを歓迎-利下げにはさらなる確信必要 (2)

市場調査では、食品とエネルギーを除くコアCPIは6月に前月比0.2%上昇と、前月と同率の伸びが予想されている。実際そうなれば、連続した2カ月の伸びとしては昨年8月以来最小となり、金融当局にとってより許容可能なペースとなる。コア指数は、基調的なインフレをより正確に反映すると捉えられている。

総合CPIについては前月比0.1%上昇と、小幅な伸びにとどまる見通しだ。前年同月比では3.1%上昇と、過去5カ月で最も低い伸びとなると見込まれている。

ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、エステル・オウ、イライザ・ウィンガー、クリス・コリンズ、アナ・ウォン各氏はリポートで、「6、7、8月と弱めのインフレデータが示され、当局としては9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合までに利下げ開始に向けた十分な確信を得られると、われわれはみている」と記した。