ECB、利下げ決定で長期的なインフレ懸念に目をつぶる-議事要旨

AI要約

欧州中央銀行当局者は、インフレに対する懸念を抱えながらも利下げを決定した経緯が明らかになった。

当局者はエネルギーと食料品価格の見通しを不確実視しつつも、判断を下す必要性を強調。

消費者物価の伸びや賃金上昇からの影響に不確実性が高まる中、今後の利下げには慎重な姿勢を示すことが示唆された。

(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)当局者らは先月の利下げ決定時に、長期的なインフレに対する懸念に目をつぶった。インフレについて完全な見通しが立つのを待っていれば、後手に回ると考えた。

4日に公表された6月5、6両日の政策委員会の議事要旨によると、当局者らはエネルギーと食料品の価格上昇率が2026年には長期平均を下回るという見込みは極めて不確実だと見なした。

ECBは「入手可能な情報が望ましいほどの完全なものではなかったとしても、ある時点でそれに基づいて判断する必要があった」と説明した。

ECBは6月、インフレ率が目標の2%に近づく中、過去最高水準にあった中銀預金金利を引き下げた。しかし、消費者物価の伸びは年内いっぱい横ばいで推移する可能性が高く、賃金上昇からフランスの選挙までさまざまな要因で不確実性が高まる中、当局者らは急な利下げに慎重な姿勢を崩していない。

投資家は年内にあと1回か2回の利下げを見込んでいる。

主なコメントは以下の通り。

金利について

インフレと賃金について

経済について

原題:ECB Officials Looked Past Some Inflation Worries With Rate Cut(抜粋)

--取材協力:James Regan.

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