スイスCPI、6月は前年比+1.3%に鈍化 追加利下げ観測

AI要約

スイスの6月の消費者物価指数は前年同月比1.3%上昇し、わずかに伸びが鈍化した。市場予想を下回る結果となった。

スイス国立銀行の利下げ観測が高まり、9月の追加利下げの確率が53%に上昇した。ただし、今回のインフレ統計は追加利下げを阻む要因にはならないとの見方もある。

中銀はインフレ率が目標レンジ内に収まったことから今年2回目の利下げを実施。しかし、デフレリスクを回避するため、今後さらなる利下げが行われる可能性も指摘されている。

スイスCPI、6月は前年比+1.3%に鈍化 追加利下げ観測

John Revill

[チューリッヒ 4日 ロイター] - スイス連邦統計局が4日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比1.3%上昇した。5月の1.4%上昇からわずかに伸びが鈍化した。

ロイターがまとめた市場予想は1.4%上昇だった。

市場ではスイス国立銀行(中央銀行)の年内の追加利下げ観測が高まっている。市場が予想する9月の25ベーシスポイント(bp)利下げの確率は前日の44%から53%に上昇した。

UBSのエコノミスト、アレッサンドロ・ビー氏は「今回のインフレ統計は9月の追加利下げを阻むハードルにはならない」と述べた。

CPI上昇率は12カ月連続で中銀の目標レンジ(0-2%)内に収まった。

6月のCPIは前月比では横ばいだった。

中銀は先月、今年2回目となる利下げを実施。基調的なインフレ圧力が低下しているとの見解を示した。

J・サフラ・サラシンのチーフエコノミスト、カルステン・ユニウス氏は、9月の利下げ後にさらに利下げが実施される可能性があると指摘。中銀はデフレリスクの回避も望むだろうとし「物価安定に対するリスクは下向きであり、中銀はインフレ率が下がりすぎないように行動する必要がある」と述べた。