ロシアがキロ級攻撃型潜水艦をアイリッシュ海近くに展開-関係者

AI要約

ロシアの攻撃型潜水艦が2022年のウクライナ侵攻以来2度にわたってアイリッシュ海周辺で任務を遂行したことが明らかになった。

英軍はこの前例のない動きに対し英国・アイルランド海域防衛のための措置を取らざるを得なくなった。

ロシアの潜水艦は英国当局者が確認していた範囲を越えて移動し、米政府もその動きを把握していた。

(ブルームバーグ): ロシアの攻撃型潜水艦が2022年のウクライナ侵攻以来2度にわたってアイリッシュ海周辺で任務を遂行したと、事情に詳しい関係者3人が明らかにした。この前例のない動きにより英軍は英国・アイルランド海域防衛のための措置を余儀なくされたという。

部外秘の評価に関する情報だとしてこれら関係者が匿名で明らかにしたところでは、ロシアが大ブリテン島とアイルランド島との間の内海であるアイリッシュ海の近くにキロ級潜水艦を最初に展開させたのは約1年半前だった。潜水艦は英当局者がこれまで確認していた範囲を越えて移動したという。

関係者2人はロシアの潜水艦の動きを米政府当局者は把握していたと語った。英国防省は「軍の行動についてはコメントしない」とした。バイデン政権高官によれば、米国はロシア海軍の動きを監視しているという。ホワイトハウスの報道官はこの件についてコメントを控えた。ロシア国防省にコメントを求めたがすぐに返答はなかった。

ウクライナ戦争中にロシアの潜水艦が英国とアイルランド西部の周辺海域に展開したことはすでに知られていたが、アイリッシュ海に向かって航行していたことは報じられていなかった。

アイルランド国防省の報道官は、同省は他国軍の行動についてコメントしないとした。ただ同報道官は、ロシアの潜水艦に関する報道と関連付けることなく、空軍と海軍がアイリッシュ海沖のエネルギーインフラの近くで「強化した海上パトロール」を実施していると述べた。

ロシアは英国・アイルランド海軍の防衛能力の潜在的弱点を見つけるためか、あるいはウクライナを支援する英国への報復として威嚇するために両国周辺海域に潜水艦を展開させた可能性があると関係者らは語った。

原題:Russia Twice Sent Kilo Attack Submarine Toward the Irish Sea (1)(抜粋)

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